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内容説明
平安時代の『源氏物語』から、蔦屋重三郎が手がけた黄表紙をはじめとする草双紙、山東京伝の洒落本、歌麿や北斎の挿絵入り絵本。1300年以上の歴史を持つ和本は、日本人の知恵と美意識の結晶である。結び綴とも呼ばれる、組紐を使った大和綴。高度な製本技術を必要とし、数葉ずつ重ねて糸で縫う列帖装など、手にとって愉しめる伝統文化を、神田神保町の老舗・誠心堂書店の店主が丁寧に解説。豊饒な書物の歴史を解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
11
やっと読み終えた。本書は2011年に角川選書で出版されたものの文庫化。内容は変わっていない。著者は神田神保町の古書店誠心堂書店の店主で和本に対する知識が豊富。本書は古代・中世・近世の日本の書物の通史であり、特に出版業界が確立した近世は頁が多く割かれている。基本的に古代・中世は写本の時代であり、本は手で書き写されて広まっていた。平安朝まで正式な本の形は「巻物」であり、冊子体は格が一段落ちる「本のようなもの」だったという。当然巻物の本は真名(漢文)で書かれていた。『源氏物語』は当時の貴族のいわば娯楽読物2024/05/08