内容説明
ジャングルの奥にある真っ赤なピラミッドと真っ白な道。
古代マヤは高度な天文知識や建築技術を備えたマヤ人たちが、王を中心に神を信仰し、栄華を誇った文明でした。
メキシコ南部からグアテマラ、ベリーズ、エルサルバドルの全域、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカの一部を含む、中部アメリカで興った古代都市文明圏をメソアメリカといい、そのメソアメリカの中で特によく知られている文明がマヤ文明とアステカ文明です。本書ではマヤ文明を取り上げて、王や貴族の暮らしだけではなく、市井の人々の生活を豊富なイラストとともに紹介します。
鉄器がないマヤで、あの巨大なピラミッドをどうやってつくったのか、マヤの王さまの驚くべきお仕事、庶民はどんなものを食べて暮らしていたのか、などなど、古代マヤの日常生活に迫った1冊です。
目次
1章 ようこそマヤ・ワールドへ! マヤ文明の基礎知識
2章 マヤ人たちの衣・食・住
3章 王の役割と農民の日常
4章 マヤ文明を形作るもの
5章 マヤ人が信じるもの
6章 マヤざっくり解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モモ
38
卒業旅行でメキシコを旅した際に訪れたチチェン・イツァ。マヤ文明は日本の縄文時代から室町時代にかけて、2000年以上にわたって続いたことに驚いた。頭の形を赤ちゃんの頃に板で挟み、後ろに伸びるように変形させていたことも驚き。ピラミッドは階段で登ることができた。高所恐怖症のため登ったことを後悔するほどの急斜面。そして何度も耳にする「sacrifice(犠牲)」という言葉で説明される遺跡。神々に願いを聞いてもらうために捧げなければならなかった生贄…。「頭蓋骨の壁」も怖かったな。当時の謎が解けた、分かりやすい一冊。2024/01/24
ダミアン4号
33
ついにシリーズは日本を飛び出した!マヤ前のオルメカ文明期(BC1200年~)は日本でいうと縄文晩期から弥生ぐらい…マヤがスペイン人の侵略を受け滅亡(AC1500年~)したのが室町終盤辺り…長い時間をかけ栄枯盛衰を繰り返した謎多き文明。日本とマヤそれぞれの時代の遺物を比べると…差を感じるなぁ…やっぱり“石”で作られた建造物とそれを実現できた人口、都市を維持する食物を確保できたのは凄い。でも…ひとつ不思議なのは何故、あれほど残酷な風習が…日本と同じモンゴロイドで農耕文明なのに生贄を得る為の戦争って…なんでゃ?2023/11/10
あんこ
21
図書館で見つけて借りてみた。生まれたばかりの赤ちゃんの頭を板で挟んで頭蓋骨を変形させて、トウモロコシの形に似せるというところからびっくり。日本でいう縄文~室町時代の間に、建築、天文学、暦、文字、数字、造形などなど、高度な文明が栄えていたことが興味深いです。彫刻「儀式のために浣腸をする男」の恍惚の表情!表現力すごい。2023/10/16
秋良
20
好きなんです、マヤ、アステカ、インカとか中南米の文明。だってドクロのデザインがかわEから!これはマヤ文明を分かりやすく書いてくれた入門書。マヤ地域は水が少なく厳しい環境なので、宗教も厳格で儀式もハード。権威を保つために王は身を切り、血を神に捧げた。また高度な技術や独特の美的感覚を持ち、大きいものはピラミッド、小さいものは土器まで魅力的なものを作り出した。でもツボったのは浣腸する男の土器のリアルな表情。シンプルながら分かりやすい。2023/10/01
tom
19
マヤの文字が載っているけれど、実用的ではないと思われる。よくよく注意深く見なければ、どれほど違っているのか見えてこない。この文字で記録を残したのか、使い続けていれば、それなりに簡略化されていくはずなのになどと思いながら観察する。でも、漢字だってけっこう複雑。文字というのは、一度定まれば、変化しにくいものなのか、などなどと考えた。それから、ピラミッドは赤く塗られていたらしい。これは見栄えするだろう。実際に見ることはないけれど、見てみたい。これくらいかな、感想は。2023/11/08