ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景

個数:1
紙書籍版価格
¥2,970
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景

  • 著者名:国末憲人
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 岩波書店(2023/12発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 810pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000222440

ファイル: /

内容説明

ロシア国境からわずか八〇〇メートルの最果ての村,首都キーウ,虐殺の地ブチャ,包囲された街,犠牲の爪痕――戦闘と日常が交差する銃後なきウクライナ.新聞社で欧州報道を長らく担当してきた記者が,現地で見た光景を記録するとともに,この戦争で問われた課題を,豊富な取材経験を元に遠距離から見つめ考察する必読書.

目次

序章 子どもたちが描く黒い絵
第一章 雪原の果てのロシア――ストリレチャ,ハルキウ
最果ての村へ
八〇〇メートル先のロシア
交通が途絶えた街道
「ロシア系」を手放す人々
領土防衛隊
これまでとは違う戦争
死ぬときは美しいままで
侵攻
第二章 ジェノサイドの警告――リヴィウ
ウクライナ全土制圧計画
足踏みするロシア軍
「難民危機」との違い
ネクスト・ジェノサイド
ホロコーストとソ連
防弾チョッキを探せ
列車はキーウへ
第三章 抵抗の街,虐殺の街――イルピン,ブチャ
穴が開いたマンション
日常と非日常のキーウ
イルピン川を越えて
色彩なき街
虐殺の現場を歩く
遺体収容
相次ぐ地雷被害
第四章 「Z」と「V」――チェルニヒウ,ボロジャンカ
包囲された街
サーシャからのメッセージ
幼稚園の酒瓶
病院も標的に
「いいロシア兵」
Zの後にVが来た
兵士を変える集団規範
第五章 戦闘と平和のはざま――イワナフランカ
憧れの郊外都市
樫の木の下で
「次に来る部隊は……」
占領地からの脱出
ロシア兵に議論を挑んだ女性
「孫はどこに行った」
裏庭にあった夫と弟の遺体
最後の電話で母は泣いた
生きたまま切断か
「裏切り者」に会いに行く
一一人はなぜ殺されたか
「優しいロシア兵」の正体
戦闘なき荒野
第六章 草の根の民主主義――ハイシン
プーチンが恐れたものは
カラー革命はなぜ無血だったか
OSCE選挙監視員
女たちが選挙を支える
「成り行き民主主義」
ウクライナの今後
ロシアの今後
帝国が崩壊するとき
第七章 銃後なき世界――ミコライウ,オデッサ
水のない街
停戦協議の間に攻撃
ノヴォロシアの幻想
狙われたリゾート地
爆撃が壁を取り払う
穀物輸出再開される
反転攻勢
第八章 平和のみならず,正義を――サンマリノ,キーウ
戦争犯罪を裁く
サンマリノの邂逅
極東から来た虐殺者
「国家の戦争」から「個人の戦争」へ
体験を歴史に残す
平和とは異なる価値
被弾
戦地を離れて
終 章 「侵攻」から「戦争」へ
終わりに
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Marcel Proust

3
朝日新聞記者による、ロシアによるウクライナ侵略戦争をウクライナ各地を取材することにより構成した一冊だ。全面侵略直前のウクライナ各地の取材から始まり、ロシア軍のキーウ近郊からの撤退後、著者はロシア軍占領下におけるキーウ近郊での、住民への虐殺や戦争犯罪の証言を記録している。本書の後半には、ウクライナ人の抗戦意識への考察が描かれている。著者の言う通り、日本においてウクライナの現実を完全に無視して「停戦」などとのたまう佐藤優や鈴木宗男の主張がいかに欺瞞に満ちて、現実離れしているか本書を読めば完全に理解出来る。2023/11/18

まめはち

2
今回のウクライナ侵攻がプーチン大統領個人の判断であること、ブチャ虐殺を遂行した部隊とそれ以前に侵攻した部隊の役割の相違、戦争が長期化する理由とウクライナ国民の心情が腑に落ちた。戦場であろうと取材に出かけ、大勢の人々に取材をする国末さんのフットワークの軽さもすごいけれど、気さくな人柄が文章から滲んでいます。トランプ元大統領はこの戦争の早期終結にはウクライナ領土をロシアに割譲せよと言ってるけど、トランプ氏にはこの本を読んでほしい。アメリカは、民主主義指数が日本より高くないけれど、この人が再選されたら😮‍💨2024/04/12

中将(予備役)

2
国末記者のウクライナ取材報告。全面侵攻開始から2年に合わせて読む。朝日で読んだ内容も多いが、組織の中で可能な限りあちこちを回って、虐殺など詳しく証言を得ている。時事の背景も専門家へ取材して掘り下げていて、岡野『戦時下のウクライナを歩く』と比べより多角的だった。侵攻開始直前にも来訪していて、その時「竹槍部隊」と感じた領土防衛隊が活躍したこと、ブチャの隣イルピンは市長の下抵抗し占領を免れたこと、裁判への訴えが進んでいることは印象的だった。首都残留と虐殺発覚の二つの岐路には同意する。戦う心理もよく分かった。2024/02/24

delsaluto 1

0
朝日新聞であった筆者の取材記録に基づいたロシアウクライナ戦争の報告。個人的な感想として、変更する記者が多いようにも思っていたけれども、いろいろな人からの評価も高い筆者による分析は中立的であり、バランスが取れていたものではないかと思う。近景と遠景とあるが、新聞記者であるためにやはり近景の方が中心になっていると思う。ただそれによってこの戦争を見るための解像度が少し上がったような気がする。2025/04/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21585851
  • ご注意事項

最近チェックした商品