内容説明
ロシア国境からわずか八〇〇メートルの最果ての村,首都キーウ,虐殺の地ブチャ,包囲された街,犠牲の爪痕――戦闘と日常が交差する銃後なきウクライナ.新聞社で欧州報道を長らく担当してきた記者が,現地で見た光景を記録するとともに,この戦争で問われた課題を,豊富な取材経験を元に遠距離から見つめ考察する必読書.
目次
序章 子どもたちが描く黒い絵
第一章 雪原の果てのロシア――ストリレチャ,ハルキウ
最果ての村へ
八〇〇メートル先のロシア
交通が途絶えた街道
「ロシア系」を手放す人々
領土防衛隊
これまでとは違う戦争
死ぬときは美しいままで
侵攻
第二章 ジェノサイドの警告――リヴィウ
ウクライナ全土制圧計画
足踏みするロシア軍
「難民危機」との違い
ネクスト・ジェノサイド
ホロコーストとソ連
防弾チョッキを探せ
列車はキーウへ
第三章 抵抗の街,虐殺の街――イルピン,ブチャ
穴が開いたマンション
日常と非日常のキーウ
イルピン川を越えて
色彩なき街
虐殺の現場を歩く
遺体収容
相次ぐ地雷被害
第四章 「Z」と「V」――チェルニヒウ,ボロジャンカ
包囲された街
サーシャからのメッセージ
幼稚園の酒瓶
病院も標的に
「いいロシア兵」
Zの後にVが来た
兵士を変える集団規範
第五章 戦闘と平和のはざま――イワナフランカ
憧れの郊外都市
樫の木の下で
「次に来る部隊は……」
占領地からの脱出
ロシア兵に議論を挑んだ女性
「孫はどこに行った」
裏庭にあった夫と弟の遺体
最後の電話で母は泣いた
生きたまま切断か
「裏切り者」に会いに行く
一一人はなぜ殺されたか
「優しいロシア兵」の正体
戦闘なき荒野
第六章 草の根の民主主義――ハイシン
プーチンが恐れたものは
カラー革命はなぜ無血だったか
OSCE選挙監視員
女たちが選挙を支える
「成り行き民主主義」
ウクライナの今後
ロシアの今後
帝国が崩壊するとき
第七章 銃後なき世界――ミコライウ,オデッサ
水のない街
停戦協議の間に攻撃
ノヴォロシアの幻想
狙われたリゾート地
爆撃が壁を取り払う
穀物輸出再開される
反転攻勢
第八章 平和のみならず,正義を――サンマリノ,キーウ
戦争犯罪を裁く
サンマリノの邂逅
極東から来た虐殺者
「国家の戦争」から「個人の戦争」へ
体験を歴史に残す
平和とは異なる価値
被弾
戦地を離れて
終 章 「侵攻」から「戦争」へ
終わりに
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Marcel Proust
まめはち
中将(予備役)
delsaluto 1
-
- 電子書籍
- 英傑のドM【分冊版】 8 電撃コミック…
-
- 電子書籍
- 愛されていた記憶【タテヨミ】第35話 …
-
- 電子書籍
- 狼を愛した姫君 1【分冊】 7巻 ハー…
-
- 電子書籍
- 科野秘帖 風の市兵衛[14] 祥伝社文庫