内容説明
恋愛の近代の軌跡を逍遥,四迷,紅葉, 外,漱石など文学作品を素材にして,前近代の男女関係の概念「色」が,理想的価値として登場するLoveの訳語「愛」と遭遇して変貌して行く姿と明治の青春の位相を抉り出す.
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目次
序
1 「色」から「ラブ」へ──坪内逍遥
2 「好色」から夫婦愛へ──尾崎紅葉
3 「色」と「愛」の間で──二葉亭四迷
4 「恋愛」への憧れ──森 外
5 「ラブ」の挫折──二つの女学生小説
6 芸娼妓の復権──泉鏡花
7 愛でも救えぬ孤独──夏目漱石
8 「愛」への懐疑──女性作家たち
9 神話の崩壊──森田草平
終章
注
文献
あとがき
岩波人文書セレクションに寄せて
索引