書物について - その形而下学と形而上学

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書物について - その形而下学と形而上学

  • 著者名:清水徹
  • 価格 ¥5,060(本体¥4,600)
  • 岩波書店(2023/12発売)
  • ポイント 46pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000233590

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内容説明

本とはなんだろうか.そう考えてみると,本というものは本当にただものではない.「究極の書物」などと本気で考える人も1人ならずいるのだ.この物体をはるかに人類史の彼方へと遡り,近代の書物の現場へと下り,そして現代のメディアを俯瞰.興味深い逸話を満載,書物を媒介とした西欧文学史をなす,書物をめぐる究極の1冊.

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目次

はじめに
I 書物の考古学
書物の誕生から確立へ
書物の起源/ページの成立/口頭言語から書物へ/図書館の誕生/神話としてのアレクサンドリア図書館
象徴としての書物
古代オリエント世界、あるいは書物と死/旧約聖書の世界における書物/聖書による戴冠
コデックス革命
《書物》の達成
『神曲』における《書物》の達成/美しい書物
Ⅱ 近代性と書物
グーテンベルク革命
グーテンベルク革命/ユゴーの幻視/「毒」としての活字印刷
図書館をめぐる想像界─バベルの影─
《書物》と文学的絶対─『アテネーウム』誌グループ─
バベルの影のもとに
第二の印刷革命/シャルル・ノディエと《書物》へのアイロニー/古書ブームとノディエ/ヴィクトル・ユゴーと書物幻想
Ⅲ マラルメと《書物》
書物の物体性への関心/活字と版面/襞・折り目/挿絵入り豪華本をめぐって/《書物》の神話/ふたたび、襞、折り目/公衆への呼びかけ/書物としての劇場/書物における音楽/書物とバレエ/『賽の一振り』について/断章性・未完結・多義性/《究極の書物》
Ⅳ バベルのあと
新たな地殻変動/ミシェル・ビュトールの位置/書物における非連続/《文庫本》論争/《リーヴル・ダルチスト》、あるいは書物の物質性と視覚性/そして、いま

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

魚京童!

14
焚書坑儒。焚書することはたやすいが、書き換えるであったり、新しい物語を紡いだり、隣の世界に逃げかえるであったり、原形をとどめない形で生き残っていく。生き残ったものしか私には触れることができない。いままでに消えていった物語について話すことができない。邪馬台国が見つからないのは、たまたま隣の国に情報があって、それは消せなかっただけ。だから攻め込んだのかもしれない。ぜんぶ消すには征服するしかない。そんなことができるのだろうか。そのまま伝えることの難しさ。AIはそれっぽいことしか作ってくれない。それはまだ?2024/11/04

Hiro

3
難しくて苦労して読んだが十分に報われる充実した読書体験だった。口頭言語から文字言語への移行を巡ってプラトンの姿勢を論じた件り、世界全体を網羅する書物としての神曲の話、かつて聖堂などの建築物が持った役割と書物のそれとのアナロジー、巻物と冊子の違い、作品とテクストの違い、ビュトールの活躍など、精神性と物質性の精妙な調和の生み出す書物の素晴らしさを歴史的に辿る本書の叙述はずっしりと満ち足りた読後感を与えてくれた。理解の足りないところも多数自覚されるが新しい知識と言うより未知の体験を得られたことで大いに満足だ。2023/04/16

Nadja

0
デジタルテキストの本が増えてきたこの時代は(何度目かの)文明史的大転換期が始まっているのかも。途中で読み止めていた清水先生の本、やっと読了。久々のアカデミックな充足感を感じた。『書物/本とは・・・、ほんとうに ただものではない!』(帯より) 座右の書として大切にしよう。ただ、書物というハードは変わっても、ソフトとしての書物の持つテイストは変わらないかと。藤村記念歴程賞、読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞

EQR

0
コデックス革命とグーテンベルク革命だけちゃんと読んだ。巻物→冊子が確立するまでの約10世紀の間に音読→黙読が起こり、それはまた口語→文語でもあっただろう。思考はインタフェースに左右されるので、これは思考の変化でもある。その象徴が方法序説の書かれ方。2014/12/09

suzunone2012

0
象徴としての書物や美しい書物について、主にフランスから考察したもの。2013/09/16

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