内容説明
本とはなんだろうか.そう考えてみると,本というものは本当にただものではない.「究極の書物」などと本気で考える人も1人ならずいるのだ.この物体をはるかに人類史の彼方へと遡り,近代の書物の現場へと下り,そして現代のメディアを俯瞰.興味深い逸話を満載,書物を媒介とした西欧文学史をなす,書物をめぐる究極の1冊.
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目次
はじめに
I 書物の考古学
書物の誕生から確立へ
書物の起源/ページの成立/口頭言語から書物へ/図書館の誕生/神話としてのアレクサンドリア図書館
象徴としての書物
古代オリエント世界、あるいは書物と死/旧約聖書の世界における書物/聖書による戴冠
コデックス革命
《書物》の達成
『神曲』における《書物》の達成/美しい書物
Ⅱ 近代性と書物
グーテンベルク革命
グーテンベルク革命/ユゴーの幻視/「毒」としての活字印刷
図書館をめぐる想像界─バベルの影─
《書物》と文学的絶対─『アテネーウム』誌グループ─
バベルの影のもとに
第二の印刷革命/シャルル・ノディエと《書物》へのアイロニー/古書ブームとノディエ/ヴィクトル・ユゴーと書物幻想
Ⅲ マラルメと《書物》
書物の物体性への関心/活字と版面/襞・折り目/挿絵入り豪華本をめぐって/《書物》の神話/ふたたび、襞、折り目/公衆への呼びかけ/書物としての劇場/書物における音楽/書物とバレエ/『賽の一振り』について/断章性・未完結・多義性/《究極の書物》
Ⅳ バベルのあと
新たな地殻変動/ミシェル・ビュトールの位置/書物における非連続/《文庫本》論争/《リーヴル・ダルチスト》、あるいは書物の物質性と視覚性/そして、いま
註
あとがき
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魚京童!
Hiro
Nadja
EQR
suzunone2012