読む力は生きる力

個数:1
紙書籍版価格
¥1,870
  • 電子書籍
  • Reader

読む力は生きる力

  • 著者名:脇明子
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 岩波書店(2023/12発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000023986

ファイル: /

内容説明

子どもが本を読むことの大切さは誰でもが説くが,心底から納得できるような”読書への誘い”は案外少ない.著者が長年考えぬいた成果を,具体例を挙げながら明晰に語る本書は,子どもと本との幸せな出会いを望むひと,必読.

目次

はじめに
第1章 読むことはなぜ必要なのか
読書はほんとうに大切か
「本なんか読まなくても,立派に育った」時代
子どもと大人を隔てているもの
「伝える」ことの意味
自尊心を支える文化
「物語の国」からの教訓

第2章 赤ちゃんと絵本
「ブックスタート」は有効か
想像力を育てる絵本
赤ちゃんと映像メディア
『かばくん』の奇跡

第3章 絵本という楽園の罠
物語の世界への船出
「見る」ことと「読む」こと
絵本の世界に遊ぶ大人たち
文字と出会える絵本を

第4章 「文字を読む」ことと「本を読む」こと
文字が読めれば,本は読めるか
絵本から物語への橋渡し
情報量の誘惑と幼年童話
『くまのテディ・ロビンソン』
映像世代の想像力と昔話
短編のおもしろさとむずかしさ
長編物語の特別な力

第5章 読めない理由
「なんでもいいからたくさん」の害
シリーズものの誘惑
ダイジェストの問題

第6章 読書力とは何か
子どもにとっていい本とは
読書力とはどんな力か
コンピューターと思考力
読む力が思春期を支える

第7章 ほんとうにいい本を手渡すために
ゲームと本とのおもしろさのちがい
映像を見ることと本を読むこと
本の紹介は旅行ガイド
地味な挿絵の大きな力

あとがき
本書でとりあげた書目

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HiroNuma7

37
図書館本。ちょっとイメージとは違ってましたが、面白かったです。読むことが如何に良いことなのかを全編を通して語られています。子どもに本を読ませたほうが良い理由、学生が文字が読めるのに本が読めない理由など、興味深かったのですが、中年の私では手遅れなのかなぁと少し悲しくなりました。物語を読むことは、自分以外の人間の意識に入り込みつつ、同時にそれを俯瞰して観察する作業であるという作者の言葉には共感しました。読み続けたら、いつか情景を想像しながら読めるようになるのかなぁ。。。2016/12/22

ほたて

31
私の母は、昔から伝わるお話を語り継いできた世代と、お話を聞かせることの大切さを知っている世代のブラックホールのような狭間の世代。読書の楽しさを自分で身につけた私は、自分の子供もいつか自然に…と思っていたけど、そんなに簡単にはいかないみたい。私も自分で身につけたと言っても、失敗や回り道をいっぱいしたし。ちっこい子に『くまのテデイ・ロビンソン』を読んでみようと思います。おっきい子はコロコロコミック見ながらでも、耳は聞いてて面白そうって思ったらまんがを見るのをやめるから。2013/08/12

みき

28
絵本は好きだったけど本は読めない。字は読めるけど本は読めない。ーそんな子どもや大学生が増えている中、本の重要性を考え直し、本への導き方が考察された一冊。 私は、子どもにとっていい本は「読む力を育ててくれる本であるべきだ」と書かれた部分に感心した。小中学生の自分を思い出してみると、人生で役に立つから読みなさいと言われた本よりも、読むことの楽しさを味わえる本のほうが為になった気がする。 また、自分が子供を育てる立場になったときに読み直すと響く内容が増えそうだなと思った。思い出して読み直せるといいな。2017/10/05

anne@灯れ松明の火

28
隣町の図書館で、脇さんの講演会チラシを見つけた。全然知らない方だったけれど、演題がこのタイトルと同じ「読む力は生きる力」で、興味を持った。講演を聞いてことのある読友さんにも「良かったよ」と聞き、申し込んだ。そして、得意の予習。読みやすい文章なのだけれど、ちょっと時間がかかった^^; 普段小説ばかり読んでいるからかな。まさに読む力が低下しているってこと?^^; 読むことではぐくまれる想像力。その想像力が人生には不可欠なんだろうなあ。2012/11/29

Bridge

23
再び脇さんのお話を聴きにいくので、再読。10年以上も前から警鐘を鳴らしてくださっているにも関わらず、世の中の動きは子どもの「読む力」を奪う方へとすすんでいる。小児科学会からの提言も、もっともっと知られるべきだと思う。2018/03/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/473729
  • ご注意事項