文春新書<br> 戦狼中国の対日工作

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文春新書
戦狼中国の対日工作

  • 著者名:安田峰俊【著】
  • 価格 ¥1,001(本体¥910)
  • 文藝春秋(2023/12発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166614363

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内容説明

中国の魔手は、もうそこまで忍び寄っている!

習近平体制が確立して以降、中国は「戦狼外交」と呼ばれる超攻撃的な外交を繰り広げてきた。アメリカをはじめとする西側国家を舌鋒鋭く批判し、日本などの周辺諸国に対しては軍事力をちらつかせながら恫喝する……。こうした中国の外交姿勢は、当初、「口先だけ」と思われていた。
しかし、これはけっしてハッタリではなかった。いつの間にか、中国政府の魔手は私たちの周辺に張り巡らされていたのである。
ウィーン条約を無視して、大使館以外の在外拠点を勝手に日本に開設。その中には秘密警察の「派出所」として機能している拠点もある。そこでは、大陸を逃れてきた反体制派中国人の監視や脅迫、留学生からの情報収集、さらにはスパイ行為などがおこなわれているのである。
著者は日本国内に開設された中国秘密警察の拠点を特定。体当たり取材を試みた。さらに、日本に逃亡中の反体制活動家にインタビューすることにも成功。彼らが日本国内においても中国当局の尾行や監視にさらされている現実を、生々しい脅迫エピソードとともに聞き出している。
また、SNSを駆使して日本で公然とフェイクニュースを拡散し、「認知戦」を繰り広げる大阪総領事・薛剣にもインタビュー。中国共産党が日本においてどのような宣伝工作を繰り広げているのかを、緻密な取材で解き明かす。
地を這う取材に徹してきた筆者。その取材で明らかになってきたのは、「中国はマジで危険な国家になった。それは長年中国ウォッチャーをしてきた自分の想像をはるかに超えている」(筆者の言葉)である。
観念論先行の中国批判本とは一線を画する作品である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

63
表題の「戦狼」という言葉が少し独り歩きしている感じ。本書の中身は例によって丁寧な取材によって、海外における反政府的中国人に対する(かなりお粗末な)中傷と脅迫、中国要人の個人情報を晒す反政府ハッカー、「戦狼」外交を行う外交官の素顔、そして若き日の習近平が日本でどんな振る舞いをしたかなど、かなり多様で興味深い内容。この著者の他書と同様、習近平長期政権の独裁性に批判的だが、それにおもねる中国官僚達の行動に、「戦狼」の原因を見る。それは決して緻密で計画的なものでなく、権力の転換によって様相が変わることも示唆する。2025/05/16

HANA

61
中国が最近展開している闘争を前面に出した「戦狼外交」。本書は中国の外交官やプロパガンダに協力している日本人などに取材し、その実態を明らかにした一冊である。とはいうものの、その外交の内容を読んで感じる事は「雑」という事。外交というとインテリジェンスに満ちた丁々発止の遣り取りを想像しているのだが、勇ましい事を言うのは全て内向きへのアピールというのが何とも。という一方で秘密警察の派出所や沖縄への工作を見ていると、その雑さで何を仕出かすかわからない恐ろしさもあるので。現代中国の方向性を考える一つの助けとなります。2023/12/21

ピオリーヌ

21
農村土豪ムーブと呼ばれる近年の中国。農村土豪とは地方の農村部出身の成金を指す中国のネットスラングであり、彼らの価値観はシンプルで、相手よりも多くのカネや力を見せつけさえすれば他人は自分を尊敬し、いう事を聞くと考えている。いっぽう、そんな自分の姿が第三者の目にどう映るかを想像したり、相手の立場を慮って行動したりすることは苦手である。緻密な計算もリスクコントロールもなく、近視眼的な価値観で力任せに棍棒を振るい続ける戦狼中国の体制は、このようにして生まれている。世界二位の国力を誇る、高度な国民監視網に支えられた2024/03/13

羊山羊

19
果たしてこれを中国一国の工作活動と呼ぶべき なのだろうか。機関、各個人が各々の利益の為に 底の見えない活動を見せる様は、まぁ何とも不気味で ある。只、各個の利益が再優先であるため、それが中国国内の問題の延長線上である為か、外交問題というより、刑事ドラマの各課の点数争いや派閥争いの様子を見ているような印象を受ける。一方で、この問題で脅迫されたり迫害を受けているのは、日本や諸外国に移り住んだ中国人達であり他国への尽大な権利侵害であることに疑いの余地がない。2024/04/20

さとうしん

19
低レベルな人材による拙劣な工作を繰り広げる海外派出所の話に対し、習近平自身の現地体験と深い現地の歴史への理解が生かされた黄檗宗や沖縄へのアプローチのアンバランスさが印象的。農村土豪ムーブによる中国の圧力に対して、著者が毛沢東の戦略を参考にしろと説くのが面白い。著者の中国体験に中国理解が有機的に結びついている。竹内亮夫妻が政治に興味がないにも関わらず結果的に中国政府のプロパガンダに加担してしまっているというのは、日本のノンポリなクリエーターが国家のプロパガンダに加担するという姿と二重写しのようである。2023/12/22

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