志学社選書<br> 雄略天皇の古代史

個数:1
紙書籍版価格
¥3,630
  • 電子書籍

志学社選書
雄略天皇の古代史

  • 著者名:平林章仁【著】
  • 価格 ¥3,630(本体¥3,300)
  • 志学社(2023/12発売)
  • ポイント 33pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909868046

ファイル: /

内容説明

「大悪天皇」か、それとも「有徳天皇」か──。

雄略天皇の治世は、おおよそ5世紀後半に比定される。
中国史書に「倭国」として登場するこの時期の日本は、各地で巨大な前方後円墳が営まれる古墳時代であり、豪族たちによる激しい権力抗争が繰り広げられていた。
倭王の権力はいまだ盤石とはいえず、ヤマト王権は豪族たちが連合して倭王を推戴し、それぞれの職掌を分担する非専権的王権であった。
豪族連合たるヤマト王権を専権的王権へと発展させ、新たな政治体制を構築した人物こそが雄略天皇である、とする評価がある。
しかし、雄略死後の王位継承の混乱と王統断絶、そして6世紀初頭に傍系から継体天皇が即位するに至ることを考慮すれば、雄略朝を単純に画期と評価してよいのか、なお疑問が残る。
本書では、雄略天皇に関する記紀の所伝、出土文字史料、そして中国史書から王権と豪族の動向を復原し、5世紀後半から6世紀前半にいたる時期のヤマト王権の政治史復原を試みる。
豪族の連合体である「遅れた」政権から、より「進んだ」専権的王権へ──という「進化論的古代史観」を克服し、先入観を排した古代史像を描き出す。

目次

[目次]
序論なぜ雄略天皇か―課題と、それに向き合う基本的立場―
第一部:『記』・『紀』が伝える雄略天皇とその治世
第一章:雄略天皇の即位―葛城氏とライバルの王族を滅ぼす―
第二章:「日の御子」と称えられた雄略天皇
第三章:雄略天皇と葛城の一言主神―有徳天皇か―
第四章:秦氏の渡来と雄略天皇の秦氏優遇策
第五章:雄略天皇に追放された葛城の高鴨神の真実
第六章:雄略天皇と采女と物部氏―大悪天皇か―
第七章:吉備氏の征圧と雄略天皇の死去
第二部:埼玉稲荷山古墳出土鉄剣銘文から描く雄略天皇とその時代
第一章:鉄剣銘文と獲加多支鹵大王
第二章:鉄剣銘文の八代の系譜について
第三章:銘文から雄略朝の時代と社会を描く
第三部:『宋書』倭国伝から知られる倭王武とその治世
第四部:雄略朝王権専制化画期説の検討
結語にかえて雄略天皇は旧体制を打破・新体制を確立できたか
参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

六点

46
著者名を見て、書肆御主人の厳父様?と、思った。閑話休題、本書は雄略天皇の治世を、戦前戦後に風靡した歴史観から離れ、本外邦に伝わる歴史書を虚心坦懐に検討すると言う、実に基礎に忠実な啓蒙書と言うべきである。なにせこの時代の研究は斯界の大家先生が、自説に都合の悪い記述を記紀により指摘されると「そんなん記紀の間違いや(大意)」と言う見解が罷り通る魔界である。古田武彦や関裕二と言った魑魅魍魎も多い。啓蒙書という割には、対象の性格上、引用が長くなる。まだ「本章の要旨」と言う項目があるだけましだが。2021/12/08

サケ太

19
個人的に最も印象深い天皇。古代の天皇を神話や各史料から浮かび上がらせていく。なかなかアグレッシブな人物を想定していたが、それらの行動も王権の確立における過渡期であったから、というのは面白い。「大悪天皇」、そして「有徳天皇」と呼ばれた彼の存在は異彩を放っているようで、過渡期の中にあって必要な事だったのか。面白かった。同著者の本も読んでみよう。2021/07/27

月をみるもの

16
"これまでは古墳は政治的記念物であり「墳形と規模の二重の原理によって被非者の系譜と序列を表示する身分制のシステム」であるとする前方後円墳体制論や(都出)、擬制的血縁関係にもとづく特異な首長連合を表象していると解するなどの〈白石)、古墳の政治的性格を重視した説明が行なわれて来た しかし、古墳が政治的記念物であるという仮説は、いまだ証明されていない” → 続く2021/08/30

さとうしん

14
雄略本人の動向だけでなく、関連する氏族との関係や動向、彼らが奉ずる神格の祭祀など、思っていたよりも多角的な切り口があるのだなという印象。また史料も記紀など伝世文献だけでなく、稲荷山鉄剣のような出土文献、『宋書』倭国伝のような外国の文献と、他の大王と比べると割と豊富である。これらを駆使して、雄略政権の性質、達成について従来のものとは違った見解を打ち出している。そこに至るまでのアプローチの豊かさが本書の特徴ということになるだろうか。2021/06/29

Oltmk

3
文献史学などの視点から略天皇を再解釈する専門書で、雄略天皇の時代を専制期的画期の時代ではなく継体天皇以前の過渡期と見なしているのは肯定できるのだが、ヤマトタケル伝承は雄略天皇期からあり雄略帝本人もそれを強く意識していた、記紀に存在しない「大タケル」の尊称の仮定など個人的には肯定する事が出来ない学説も唱えられてるため、肯定できる学説と肯定できない学説が入り混じってるとは思う。ヤマトタケル伝承が馬伝来以前の時代に作られた事は確かに首肯できるのだが…2022/04/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17698772
  • ご注意事項

最近チェックした商品