内容説明
塾の休み時間にしていたひそかなおまじない。ひとりごとを言うときの見えない誰か。落ちこんだ気持ちをなぐさめてくれるおとも。結婚して気づいた名前というものの存在……。日常の中で通り過ぎてきた、ちょっとしたでこぼこを、やわらかな言葉と絵で切りとったエッセイ&イラスト集。初めて著した本書で、「紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30『キノベス! 2021』」に選出される。文庫化に際し、書き下ろし5編を収録。
※本作品は2020年6月に晶文社から刊行された単行本を文庫化に際し、加筆修正をしたものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
63
エッセイが好きな人や心が落ち着きたい人に読んで欲しい本になっている!2024年初読みはこの本になった。いまの時期に読めて良かったと思えるエッセイだった!この本はイラストレーターの三好愛さんが書かれたエッセイである。タイトルの『ざわざわをさわる』とは、おそらく嫌なことやモヤモヤしたことによって心にささくれができてしまい荒れてしまったことを指していると思う。そんなざらざらした部分を触ることによってすこしでも心がなめらかになるように祈ったものかなと考察した。新年から息が苦しい。2024/01/03
ひめありす@灯れ松明の火
16
不思議な、少し寂しいような、優しく柔らかい世界でした。ものすごくとがっているという感じではないけれど、オンリーワンな世界観。中高の同級生の甘い毒の話がいかにも女子という感じで「わかる、わかる!」と思いました。少しだけ賢しく意地悪な。今も、私のどこかにも、刺さっている、抜けない、毒。2024/02/28
えつ
8
三好愛さんのイラストが好きで、こちらもずっと気になっていたエッセイ。やっと読めた。日常のざらざらすること、本来なら受け流せるようなざらざらを言葉にしていると、特に気にしていなかった日常のざらざらが気になるように。共感できるもの、できないもの、もちろんあるけれど、三好愛さんの言葉は心地良かった。イラストも可愛くて、そこに癒された。中高一貫の女子高、受験したけど怖くて進学しなかった。結局、わたしは共学の中高一貫に進学したけど、呪い、分かる。ものすごく分かる。あの当時の言葉ってほんとに呪いとしてずっと残る。2024/04/18
musis
8
良かった!やさしい言葉とイラストがすてきです。親近感がわく。穏やかなきもちで読める。年末にいい本でした。2023/12/31
mntmt
6
共感できる、ざらざらもあった。びっくり‼️エピソードもあった。すべて淡々と語る著者。おもしろい人だな。2024/03/24