分断されないフェミニズム - ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる

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分断されないフェミニズム - ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる

  • 著者名:荒木菜穂
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 青弓社(2023/12発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787235299

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内容説明

非婚/未婚/既婚、正規労働/非正規労働、性差別的な売春か/セックスワークか、女性の保護か/男女平等か――。フェミニズムは分断と連帯にどう向き合えばいいのか。
フェミニズムの議論を骨格に、現場の声にふれた経験に基づき、女性たちが簡単にはつながれない現実を見据えたうえで、シスターフッドとは何かを問いかける。

女性たちが差別に抗い、不満に共感しあいながらも、ともに声を上げられない現実を、ジェンダーに基づく権力構造による分断だけではなく、考え方や生き方、事情や立場が異なる個人の関係性などの視点から読み解く。

「分断」を乗り越えることを模索し、「ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる」ための女性のこれからを提案して、長年のフェミニズムの場での活動と思索に基づいて女性のつながりのあり方の再考を求める評論。

目次

はじめに――オンナの呪いを解く

第1章 女は連帯できないのか――フェミニズムとシスターフッド
 1 呪いを解く知としてのフェミニズム
 2 フェミニズムが見据えてきた「女同士」
 3 シスターフッドの発見――分断のメカニズムへの抵抗として

第2章 対話、問い直し、フェミニズム
 1 女性の活動への関心と縁
 2 平場という関係とその困難
 3 「対話」の工夫と調整
 4 他者との対話、自己との対話

第3章 フェミニズムの「呪い」と女の欲望
 1 フェミニストとしての自分を縛る「呪い」
 2 ロック文化とフェミニズム
 3 「エロ」はフェミニズムの敵なのか
 4 「酒場女子」をめぐるモヤモヤ
 5 フェミニズムか反フェミニズムかの二分法を超えて

おわりに――他者と適度につながり続けるために

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

50
【女性にかけられた呪い:現代社会では、なぜか○○という属性が理由で、こうなるのが普通、こうしないと幸せにならない、世の中こういうもの、と「呪い」かけられた様々な事象が存在する】分断させられている女同士の関係性を、フェミニズムの現場での活動と思索に基づき再考した書。<女同士はいがみあう、とはもちろん一種の偏見である。それは、女性はヒステリック、自己中心的、社会関係を築く能力に欠けている、というような女性をさげすむ視線とつながっている。しかし同時に、実際に女性同士をつながりにくくする社会の仕組みがある>と。⇒2024/06/10

katoyann

16
女性を分断する家父長制的な社会構造に抗うためのフェミニズムに対する思い入れを綴りながら、他方で自らの自由を制約する考え方がフェミニズムには混ざってあり、それをフェミニズムの呪いとして分析している。アカデミズムに回収されてしまうことのないフェミニズムの魅力を女性学研究会での経験や酒場での体験などをもとに分析している。研究者による本のため平易とは言えないが、主観を文体に反映させることで女性学の魅力を伝えようとする筆致が新鮮だった。2024/08/28

doji

0
たしかに周囲にmetoo運動に乗り切れない女性もいて、連帯やallyといったことばでひと括りにできないことを、文献から丁寧に整理して論理を積み上げていく筆致がなんだか頼もしかった。ロクサーヌ・ゲイが自身をフェミニストとして”bad”であることを語ったとこを受けて、フェミニストと性の向き合い方の多様さについて語りにも納得がいく。サブタイトルにあるように、ほどほどのつながりをつくるためには、個人としての輪郭をはっきりさせる必要があって、違いを認めた上でエンパシーを身につけるためのヒントがたくさん詰まっていた。2025/01/09

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