内容説明
六代目神田伯山 推薦!「とにかく生々しい!嘘くさくない師弟本。間違いなく講談界の歴史になる一冊です」
講談協会真打・桃川鶴女。この二〇二三年で講談師としては満五十年を迎える。
所属する講談協会の女流では宝井琴桜に次いで芸歴が古く、男女合わせても上から数えて七番目というベテランだ。
そんな鶴女の師匠こそ、講談界の異端児・田辺一鶴である。前例にとらわれない破天荒な工夫、二本の大きなヒゲというトレードマークを持ち、一九六〇年代から七〇年代のテレビ全盛期にメディアの寵児となった。たとえば1964年の東京五輪では、入場式の模様を袂から国旗を出しながら国名を順に読み上げて講談で語るという一席で話題を呼んだ。また一方で、戦後急速に小さくなりつつあった講談界復興のため、異例ながら二ツ目時代からたくさんの弟子を取り、また女性にもはじめて門戸を開いたパイオニアという一面も持っていた。
一九七三年八月、少女は、そんな一鶴にはじめて出会ったその日に入門が決まる。そこから、師弟の涙と笑いの31年間がはじまった。男ばかりだった講談界で「女流」を貫いてきた矜持とは。そして、弟子として近くで見ていたからこそわかる田辺一鶴のほんとうの姿とは。
昭和から平成、時代の荒波のなかでまっすぐに講談道を歩みつづけたふたりの軌跡をとくとご覧あれ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
道楽モン
20
田辺一鶴は講談の歴史に名を残す、破天荒な新作講談を貫いた偉大なる講釈師だ。テレビでの扱われ方がキワモノ的で、世間でのイメージは、おそらく大いなる勘違いが大多数だろう。弟子から見た師匠の内幕は、とかく愛憎半ばするモノになりがちではあるが、本書で描かれる姿は、本当に講談が好きで好きで堪らない、いかに講談を世に広げ、己の芸を精進させ、弟子を育て、次世代に残すことしか考えていない偉大なる芸人の姿だ。講談低迷期に業界を支えるべく、すべてを捧げた芸人の生き方に感動する。さらに裏方の杉江松恋の最近の仕事は素晴らしい。2024/01/16




