あわいに開かれて

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • Reader

あわいに開かれて

  • 著者名:小野正嗣
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 毎日新聞出版(2023/12発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620108674

ファイル: /

内容説明

――記憶よ、きみはよく道の半ばで姿をくらますが、
ときに思いも寄らぬものを連れてくる。

現実と虚構のはざまに産み落とされた、詩情あふれる傑作掌編小説集
記憶の奥底を覗き込む、やわらかくて危うい――至高の41篇


日の出/黒い羽根のある沈黙/壁と壁/雪の上に/つぼみ/襞/隙間/雲か煙か/雲の狩人/光の環/風の運ぶもの/泥に泥に泥に泥に/防災行政無線/夜空に吸い込まれる/月明かりの下で/寂しげな瞳/発芽/緑に染まる/闇の奥から/風と光と海と/苔の記憶/箱に収められたもの/窓を覗く/沼のほとりで/境界線の上で/郷愁?/粉雪の舞う夜に詩人と/空き家の前で/夜の底の花/おぼろげなもの/花を咲かせる/茶色い毛並み/波紋の描くもの/暗い部屋のなかで/誰のもの?/お手紙をいただいて/黄金の光に包まれて/クリスマスのひみつ/森の人々/逃げなさい/さようなら

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

173
久々の小野 正嗣、4作目です。毎日新聞に連載された詩情溢れるショートショート集、オススメは、「日の出」&「泥に泥に泥に泥に」&「さようなら」です。 https://mainichibooks.com/books/novel-critic/post-633.html2023/10/29

シナモン

103
41の掌編短編集。集中して読まないと意識の隙間からこぼれ落ちてしまいそうな繊細な文章。純文学的で難しい部分もあったけど、その美しさに深い余韻の残る一冊でした。2023/10/05

かもめ通信

25
いずれも数ページの41篇もの作品を収録した掌編小説集は、時に連作短篇のようであり、エッセイのようにも読め、ホラーの様相を呈していることも、長編小説の一場面のように思えることも。いろいろな顔を持っているにもかかわらず、そのどれもが、とても鮮やかに場面場面を読み手に思い浮かばせる。本を読みながら思い浮かべたあの情景、あの風景が、実際に目にしたものであるかのように私の記憶の中に埋もれていく。2023/09/25

スイ

14
現実と非現実。 夢と醒めた後。 生と死。 様々な間をそっと掬い上げるような掌編集。 時に恐ろしいものもあり、孤独に叩き込まれるものもあり。 でも小野さんの文章はとても真摯で丁寧だから、怖くても心が解けるような心地良さがある。 小野さんの放送大学の世界文学の授業が好きだったので、あの時のことがベースなのかな、と思うものもあって嬉しかった。 稀有な感覚が得られる作品。 読み返したい。2023/11/16

びっぐすとん

14
図書館本。初読作家さん。読友さんのレビュー見て。この感覚はまさに「あわい」を漂うようだ。こういう不思議な話は好きだ、この作品も悪くないけど、何かが自分と合わない。ああ、そうか、この作品たちはショートショートなのだけれど、むしろ詩に近いんだ。私は詩が苦手だ。ストーリーというより情景なのだ。世界観は好きなので、他の作品も読んでみたい。2023/11/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21342331
  • ご注意事項