桃太郎のユーウツ

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桃太郎のユーウツ

  • 著者名:玄侑宗久【著者】
  • 価格 ¥1,899(本体¥1,727)
  • 朝日新聞出版(2023/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022519504

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内容説明

福島在住の僧侶作家が震災、コロナ禍のもとで、大きなユーウツと見え隠れする希望を描く六つの作品集。復興住宅に住む老人がこだわる「火男おどり」、近未来〈独り暮らし基本法〉施行下で命の交流を問う「繭の家」、除染作業員・桃太郎の鬱憤の行方をコミカルに追う表題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

173
玄侑 宗久、初読です。本書は、僧侶作家ならではの視線で時事ネタを取り込んだ短編集でした。 オススメは、『繭の家』&表題作の『桃太郎のユーウツ』です。 https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=245492024/01/27

えみ

60
ユーウツだ。最初から最後まで、隅から隅まで…。自然災害や伝染病蔓延が私たちの心と生活に忍び寄る。一話一話、ユーモアたっぷりでありながら決定的な解決がないというユーウツ。まさに現代を生きるわたしたちの姿を映し出しているよう。そして身に覚えがあり過ぎる感情と、「もしかしたら」「あるいは」の起こり得る日々の悲劇がパンデミックの波乱を終始漂わせてくる。嫌な空気を纏った6篇収録の短編集。人の怯えにスポットライトを当てて陰影をつけ、病みの深さ闇の濃さを客観的に実感させられた一冊だった。怖いもの見たさの好奇心を満たす。2023/12/20

メタボン

29
☆☆☆★ 福島県三春の福聚寺の住職でもある玄侑宗久氏がゆえに、原発事故や仏教に関連した作品が多い。三春のだるま市を題材とした「火男(ひょっとこ)踊り」の飄々とした雰囲気が良かった。元首相を自爆テロにて襲う現代の桃太郎の話「桃太郎のユーウツ」は奇しくも安倍元首相、岸田首相の襲撃を想起させる。「うんたらかんまん」は人間の業について考えさせる。「繭の家」は行き過ぎたソーシャルディスタンスにより近未来ではありえるディストピア。2024/01/21

えも

24
連作じゃない、色々なところで書いた話を集めただけの短編集。でもフクシマだったりコロナだったり、軸は共通なんだなあ▼主人公、僧侶か除染作業員が多い。このあたりは玄侑さんらしい。そんな中で「繭」の話が異色で惹かれた。ウイルスが蔓延し、マスク必須で各人が1人用の繭で暮らしている未来。主人公は制度としての「巣ごもり」=子づくりのために、AIが選んだ女性とマスクの下を見せ合い、体を重ねるが…▼表題作とともに、いつもと異なる新鮮な玄侑さんを堪能しました。2024/03/01

ちょん

22
新年1冊目。トップバッターに相応しい読み応えでした。コロナ禍の生活や震災の影響、要人への襲撃…などどれも現代をガッツリ風刺してました。そして今もまた震災があって、物語じゃなく現実の話過ぎて怖いし辛い。表紙の大津絵の鬼、「鬼の寒念佛」と言って鬼が僧衣をまとっている絵で、慈悲ある姿とは裏腹な偽善者を諷刺したものらしいです。深い。2024/01/03

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