内容説明
不気味で凄惨な犯行現場に臨場し続ける科学捜査官は、密かに「最凶の連続強姦殺人鬼」を追っていた。10数人が殺害され、50人以上が凌辱された未解決事件。「犯人はまだ生きている」。40年間、警察を出し抜いてきたサディストをどう炙り出せるか。DNA解析の最新技術や犯罪捜査の複雑な力学も明かす驚愕のドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茜
47
ある統計では、現在アメリカ国内で約2000人の連続殺人犯が活動中だと指摘されている。その多くは孤立者でも社会ののけ者でもない。彼らは友好的な隣人として振る舞うことができ、実際にそのように生活している。そんな隣人がシリアルキラーだとは知らずに接していたと思ったら怖いなぁと思う。この本にはポールホールズの人生の大半をシリアルキラー捜しに捧げたというべき記録が綴られています。でも、家族も顧みずに彼がシリアルキラー捜しに没頭してしまうのはちょっとなぁと思いました。2024/05/27
勝浩1958
6
もっと有効にDNA鑑定を行えば、冤罪はなくなるでしょう。日本の検察にその意識はあるのかな?2024/09/27
根岸
3
【図書館】昔からシリアルキラーに興味があって、その手の海外ドラマや映画はたくさん観てきた。が、本はなかった。作中に出てくる「黄金州の殺人鬼」を追ったミシェル・マクナマラの『黄金州の殺人鬼』を読んで、もっと詳しく知りたいと思って本書を読んだ。まず、ある統計によればアメリカで現在活動中のシリアルキラーがなんと2000人もいると言われてること。アメリカといえば凶悪犯罪多発の国だというイメージがあるけど、1970年代、ほんの40年前は鍵をかける家が少ないとか、驚きの連続だった。2024/11/23
スウ
3
数十年かけて犯人を追う著者の執念がすごい。DNAも無かった時代からのスタート。科学捜査官というのは日本でいう鑑識かなと思うけれど、実際に記載されている作業の内容を想像すると1現場でも途方もない。小説やドラマでは描かれないところだ。現在は監視カメラやDNA技術の発達で捜査も進歩しているとは思うけれど、それでも地道な作業が無くなるわけではない。日本はシリアルキラーが少ないが、こういう本を読むとやはり怖くなる。2024/08/02
てまり
3
連続殺人鬼を追い詰めた捜査官の回想、なんだけど、事件が主体のノンフィクションと違い、凶悪事件の捜査によって傷つき壊れる心、家族にかなり焦点が当たっている。事件の記述も時系列に沿っており、重なっていくつかが起こり、結局解決しなかったりもする。ラストは(被害者には悪いけど)もはやバッドエンドでは……。面白かった。2024/07/16