ちくまプリマー新書<br> 世にもあいまいなことばの秘密

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ちくまプリマー新書
世にもあいまいなことばの秘密

  • 著者名:川添愛【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2023/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684684

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内容説明

[「結構です」→YES NOどっち? 「それですね」→どれやねん 「この先生きのこるには」→先生! こうして誤解は広がっていく] 「冷房上げてください」「大丈夫です」。言葉には、読み方次第で意味が変わるものが多々あり、そのせいですれ違ったり、争ったりすることがある。曖昧さの特徴を知り、言葉の不思議に迫ろう。 【目次】1 「シャーク関口ギターソロ教室」――表記の曖昧さ/2  「OKです」「結構です」――辞書に載っている曖昧さ/3 「冷房を上げてください」――普通名詞の曖昧さ/4 「私には双子の妹がいます」――修飾語と名詞の関係/5  「政府の女性を応援する政策」――構造的な曖昧さ/6 「2日、5日、8日の午後が空いています」――やっかいな並列/7  「20歳未満ではありませんか」――否定文・疑問文の曖昧さ/8  「自分はそれですね」――代名詞の曖昧さ/9 「なるはやでお願いします」――言外の意味と不明確性/10  曖昧さとうまく付き合うために

目次

はじめに──本書を手に取ってくださった皆様へ/1 「シャーク関口ギターソロ教室」──表記の曖昧さ/「しばいがかった」──仮名と漢字の曖昧さ/「この先生きのこるには」──どこで単語を区切るのか/「粒より小餅」──発音すれば分かるけど/2 「OKです」「結構です」──辞書に載っている曖昧さ/「微妙」な味とは?──肯定的な語義と否定的な語義/「雪が降ってるみたい」──「推量」か、「例え」か/「止められますか?」──受け身、尊敬、可能、自発/「大丈夫です」──承諾か、断りか/「やらせを疑っていません」──あった? なかった?/「危ない」は危ない/3 「冷房を上げてください」──普通名詞の曖昧さ/「友達を連れてくる」──単数か、複数か/「日本人はマナーが良い」──一部か、全体か/「先生が変わった」──特定のものか、役割・性質か/「ギターの音を下げて」──どの側面のことを言っている?/「テストがない」──出来事か、物体か/「お酒を控えて」──提喩と換喩/「奥さんです」──「誰にとっての」を必要とする名詞/4 「私には双子の妹がいます」──修飾語と名詞の関係/「誰の絵ですか?」──自由すぎる「AのB」/「お医者さんの奥さん」──「AであるB」か、「AにとってのB」か/「○○氏の名誉毀損」──行為者か、行為の対象か/「勉強しない大学生」──限定的修飾、非限定的修飾/5 「政府の女性を応援する政策」──構造的な曖昧さ/「有名な女性の肖像画」──修飾先はどれ?/「年賀状を送った人」──関係節の解釈/「一九二〇年代にアメリカで起こった事件を映画化」──従属節の外側か、内側か/「頭が赤い魚を食べる猫」に挑戦!/6 「二日、五日、八日の午後が空いています」──やっかいな並列/「メロンと桃のコンポート」──「AとBのC」の解釈/「山田さんと田中さんと佐藤さんが仲違いをした」──「AとBとC」/「櫻井さんと相葉さんが結婚した」──分けるのか、分けないのか/「AさんとBさんがハワイ島とマウイ島から」──一対一に対応させる解釈/「ピザ・トースト」──中黒「・」の曖昧さ/7 「二〇歳未満ではありませんか」──否定文・疑問文の曖昧さ/「すぐに走って逃げてクマを興奮させない」──どこからどこまでを否定するか/「七割以上の問題に正解できなかった場合」──数量表現と否定/「~ではありませんか?」にどう答える?/「オードブルって何ですか?」──定義か、詳細か/8 「自分はそれですね」──代名詞の曖昧さ/「それ、僕です」──「それ」や「彼」の解釈/「君か!」──ゼロ代名詞の解釈/「自分を過大評価している」──「自分」は何を指すか/9 「なるはやでお願いします」──言外の意味と不明確性/「お風呂に入らない子はだあれ?」──言外の意味/「なるべく早く」──言葉の不明確性/10 曖昧さとうまく付き合うために/曖昧さは何重にも重なる/短い言葉に注意する/言いたいことを予測してもらうには/文脈の影響を考慮する/第三者の目を入れる/おわりに──曖昧さは悪いものではない/あとがき/問題の答え

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

69
そうそう、その通りと何度も頷きながら、読み進めた。文章、とりわけ何かを伝える文章には、多少こだわりを持つようにしている。何度も読み返し、意味が通じるのかどうかを見直す。少しの表現の変化で、読みやすさが随分違うことがある。句読点や点を、どう使うかでも変わりうる。曖昧でも通じているようで、誤解が生じているのが、難しくわかりにくい。そこで、文章だけでなく、図式化したり絵を使ったりして補うようにしている。それにしても、言葉の世界は果てしなく深い。2024/04/16

はっせー

55
言葉や言語について考えたい人や知りたいって思っている人にハマりそうな本になっている!言葉のあいまいさ。日常生活を過ごしている中で言葉のあいまいさによって指示が間違えたりまたケンカになってしまったなどのケースがあると思う。本書はそんなあいまいさがどのような状況で発生してしまうのかをまとめた本になっている。句読点や解釈が分かれる言い方などなど。読んでいてこんなことあるある!とずっと思っていた。あいまいさを無くせないが相手のことを思って対応するのがいいなーって思った!2024/04/24

とよぽん

55
日本語の表現に注意と関心をもってほしいという意図で出版された本なのだろう。あいまいというより、係り受けが明確でない、不備のある表現にスポットを当てて解説されている。少なくとも、2通り以上の解釈ができる表現は避けようということだろうが、数多の例を挙げての労作に辟易してしまった。装いを変えた文法書?という感じだった。2024/04/23

venturingbeyond

52
年末恒例の大阪出張の移動中に読了。言語表現の多義性を、多様な具体例を用いて平易に示し、複数の解釈が生じるメカニズムを言語学の知見を用いて、初学者にも分かりやすく説明するリーダブルな入門書。毎年、生徒の志望理由書や小論文の添削指導で、なかなかの悪文を読まされる身からすると、生徒自身にそれぞれの文章の癖を検証するための視座を身につけさせることは大きな課題なので、まずは早めに本書を読ませたいところ。三木那由他『会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション』、和泉悠『悪い言語哲学入門』との併読をお薦め。2023/12/26

ホークス

51
2023年刊。日本語は曖昧な表現が多く、本書はそんな例を機関銃のように連射する。言語的な理由もちゃんと書いてある。曖昧さは効率の良さでもあるから上手く使いたい。「雪が降ってるみたい」の「みたい」は推量とも例えとも解釈できる。記事の題名が「◯◯氏の名誉毀損」だと、◯◯氏は名誉毀損した方かされた方か曖昧。「有名な女性の肖像画」で有名なのは女性か肖像画か、どちらもあり得る。「メロンと桃のコンポート」はなん通りもの解釈が可能。書くとき要注意なのは、短い文章に詰め込みすぎる事。相手の感じ方を決めつけるのも危ない。2024/04/03

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