内容説明
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12歳の少女が日記につづったリアルな戦争。
2022年2月、12歳の誕生日を迎え、仲間や家族から祝福を受けて幸せを感じていた少女イエバの人生は、そのわずか10日後、ロシアのウクライナ侵攻が始まったことで一変した。
彼女が祖母イリナと共に暮らすハルキウは攻撃下に置かれ、地下へ避難したイエバは備忘録として日記を書き始めた――。
爆撃の恐怖に震えながらの避難生活、戦火を逃れるために故郷を離れて西へと向かう決断、離ればなれになってしまった友人たちとのメッセージのやり取り、突然の戦争に疲弊し、苦しみながらも前向きに生きようとする思いなど、少女がアイルランドに逃れるまでの67日間がリアルにつづられた日記は、2022年10月に欧米で『You Don’t Know What War Is : The Diary of a Young Girl from Ukraine』として書籍化されると、世界各地で大きな反響を呼んだ。
2023年2月には朝日新聞でも「現代版のアンネの日記」として取り上げられた話題の書が、邦訳版になって登場。
学校では絶対に教わらない戦争の「リアル」が、ここにある。
(底本 2023年12月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
67
風船爆弾作戦の製作班奉仕を課された女の子たちの囁きをまとめた本を読みながら。こちらは児童扱いの現在のウクライナである日自分の住む街が「いきなり」戦闘地区になった女の子の日記。ルンルンのお誕生日から数日後、朝まだ早いのに目が覚めた。なに?この騒音!え?なんか爆発してる。うそ、ロケット弾が飛んでいる!本物の戦争が始まってしまったんだ。まず地下室へ。それから郊外の知人宅へ。ハンガリーからアイルランドへ。12歳の少女の避難紀行は不安に揺れる日記と散り散りになった友達とのラインと精一杯の笑顔の自撮りで満ちている。2024/06/14
けんとまん1007
50
まさに、今、この瞬間も。それを思う。この理不尽さを思う。何ができるのか。知ることがその一歩。ではあるが、その先にあるものを思う。2024/03/26
クマシカ
19
イエバとおばあちゃんは避難民の中でも特に幸運だったと思う。避難所でアイルランドのテレビクルーと出会い取材を受けたことで安全なアイルランドに避難できた。イエバが英語に堪能だったことも幸運だ。両親が海外にいて祖母と2人で動きやすかったことも良かった。クラスメイトと比べても聡明で落ち着いているイエバ、そして決断力と行動力に長けているおばあちゃん。他の人が地下で潜んでる間にすぐにアパートから離れ、国境近くの街まで移動、外国人記者に助けを求めた。イエバは信仰心を大事にしているが、能動的行動が2人を救ったと思う。2024/08/12
Mayuko Kamiwada
8
ウクライナ人のイエバ。12歳の誕生日を迎えた10日後に故郷がロシア軍事侵攻に遭った。本書は戦争の最中、イエバ自身が体験した恐怖や苦難が日記として綴られている。戦争を知らない私には衝撃的な内容で、当たり前にあった日常がいきなり壊される過程がリアルに描かれていた。日本でも同じようなことが起きたら、どこに行けばいいのか分からず、ただただ混乱するばかりだろう。2024/03/30
のんたろう
7
イエバの日記は2022/2/14、12歳の誕生日から始まる。その10日後、自宅のあるハルキウにロシア軍が侵攻し、生活が一変する。多くの人の援助を得て無事にアイルランドへ脱出するが、故郷に帰れるのはいつになるのか。「なんで戦争なんかするの?こんなにぐちゃぐちゃにして、だれが元通りにするの?……」12歳の子にこんなことを言わせる戦争。原題は"You Don't Know What War Is"、戦争を知ってしまった彼女の日記が、知らない私たちに戦時下の様子を伝えてくれている。2024/05/27