内容説明
戦時下と現代の熱い駅伝魂を描く感涙小説。
ボストンマラソンの会場で、とある選手から古びたボロボロの日記を受け取った新米駅伝監督・成竹と学生ナンバーワンランナー神原。それは、戦時下に箱根駅伝開催に尽力したとある大学生の日記だった。その日記から過去を覗いた二人が思い知ったのは、美談でも爽やかな青春でもない、戦中戦後の彼らの壮絶な軌跡。そこには「どうしても、箱根駅伝を走ってから死にたい」という切実で一途な学生達の想いが溢れていた。
現代の「当たり前」は昔の人々が死ぬ気で勝ちとってきた想いの積み重ねと知った彼らは・・・・・・・。そして、戦時下の駅伝を調べ、追う彼らに起きた、信じられないような奇跡とは。
先人達の熱い想いが襷として繋がり、、2024年、第100回箱根駅伝は開催される。
熱涙間違いなしの青春スポーツ小説、最高傑作です。
(底本 2023年12月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
275
額賀 澪、5作目です。本来であれば、箱根駅伝第100回記念大会開催迄に読みたかったのですが、図書館の予約のタイミングで、この時期になってしまいました。本書は、戦時下と令和の熱い「駅伝魂」を描く至高の青春スポーツ譚でした。愚かな人類は、何時になったら戦争禁止条約を締結できるのでしょうか❓ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002403.000013640.html2024/02/10
hiace9000
156
額賀タスキシリーズ集大成の本作、第100回大会を観終え、深い感動と共に今読了。1920年に始まり2回5年だけ途絶えた箱根駅伝。先人達が開催にかけた思い、「死ぬために靖国に向けて」箱根を駆けた戦時下の学生達、「それぞれの夢に向けて」箱根を駆けた今年の学生達。彼らが時代を越え、これまで繋いだ自校と箱根の『タスキ』の本質と真の重みに深く感じ入る。『箱根駅伝ガイド』と『あまこま』も手元で開きつつ、本作がいかに丹念に史実を辿り、迫真の走路描写を成したかに瞠目結舌。"箱根から世界へ"の響きは、感涙の読後確実に変わる。2024/01/03
ちょろこ
148
戦争と駅伝の一冊。泣かずにいられようか。走ってから死にたい、ただそれだけの想いに。昭和と令和を結びながら、ゴールが靖国神社だった幻の箱根駅伝を描いた物語は戦争という時代に抗えない苦しみ、消えない心の灯火が終始、涙となり溢れた。忍び寄る戦禍、1区を走ったその足での有無をいわせずの入営に胸が詰まり、改めて戦争が奪った時間の重みを感じずにはいられない。終盤は時を超えたタスキを思い、勢いが増す涙。当たり前を享受できることがどれだけ幸せなことか。先を生きた人達から今を生きる者に託されたタスキを考えずにはいられない。2024/02/20
モルク
145
箱根駅伝、戦時中と今年第百回記念大会の話が交差する。パリ五輪を目指す学生と監督がボストンマラソンの際に託された古い日記。それは戦時中に箱根駅伝を開催しようと奔走した学生のものだった。戦況が逼迫し大学生も卒業を早めたり、ついには学徒出陣という形で召集されていった。「箱根駅伝を走ってから死にたい」という想いに関東学連の世良らが応えようと尽力する。戦死を意味する「靖国で会おう」という言葉も重い。駅伝への、襷への熱き思い、それが令和に繋がる。感動と涙、その感動をうまく言葉に表せないのがもどかしい。いつかは沿道で…2024/02/15
hirokun
137
星3 箱根駅伝の第二次大戦前後と第100回大会を対比しながらの青春小説。この作品を読んで、箱根駅伝の歴史について些かなりとも理解できた。私はお正月の恒例行事の箱根駅伝も視聴しないことが多いのだが駅伝にかける大学生の情熱の強さに感動するとともに、平和な世の中があってこその日常の素晴らしさというものを強く感じた。2024/01/10
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