内容説明
密室殺人の犯人を「7つの選択肢」からセレクトする、まさに「マルチエンディング・ミステリー」
『最後のトリック』『ミステリー・アリーナ』の著者による新たな挑戦。
築30年の「大泰荘」で8人の大学生が共同生活を送っていた。
ある朝、マッチョな男性住人が鍵のかかった自室において遺体で発見される。
深夜には建物の玄関にチェーン錠がかけられるため、
たとえ鍵を持っていても中には入れない二重の「密室」で誰が彼を殺したのか?
住人の誰もが怪しく、誰にも動機が……。「7つの選択肢」から犯人を決めるのは、あなた。
読者投票の結果も収録。
文庫化に際して、『犯人選挙』を改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
70
七つの結末が用意され、読者が結末を選べるというタイトル通りのメタミステリ。本格からバカミスまで『ミステリーアリーナ』を彷彿させる多重推理にワクワクの1冊。シェアハウスでボディビルダーの青年が絞殺される。鍵のかかった自室で発見された死体、玄関にもチェーン錠がかけられ現場は二重の密室。容疑者となった7名の住人は犯人を探そうとするがお互い疑心暗鬼に。誰がどんな方法で殺したのか?次々に繰り出される真相に有名作のオマージュやミステリマニアあるあるなどユーモアをたっぷりまぶしたマルチエンディングがとても楽しかった。2024/01/22
ア・トイロッテ(マリポーサとも言う)(各短編の評価はコメントで)
23
★★★6 怪作。帯にあるように7種の解決を謳ったミステリーであることから、多重解決ものであると読む前から期待してしまう作品であった。たしかに解決はいくつもあり、バリエーション豊かだった。しかし発想の前に実践が負けてしまっている。発想を実現させようとするあまり、ミステリとしての強度が弱くなってしまい、著者の過去作である『ミステリー・アリーナ』と比較するとこのような点数になってしまった。自分が期待する多重解決ミステリは、どの解決もメイン解決になり得るいくつもの強度のあるミステリである。2024/01/30
みつちや
19
犯人が誰かを読者投票で決める。なんじゃソレ?最後に7人全員の犯人ストーリーが書かれていて、マルチエンディングとはそういうことである。昔流行ったゲームみたいだと読んでみたが、解決編にどうしても緊張感がない。性質上仕方ないのだ。脳内を覆すマジックが使えないとバカミスになるのだなぁと妙な得心。アパート名と中村某は笑った。出版社からの持ち込み企画だった点が引っかかるが、著者の努力と挑戦には敬意を評したい。2024/02/20
きたさん
19
第一部(出題編)だけ読むと本格なのかな?と思うものの、第二部以降はメタ含めもっとフレキシブルなミステリに。正直世界観の平成初期っぽいノリがキツいところもあったのだけれど、ラスト近くで中村某氏の名前が出てきたことで全て受け入れられることができました。純粋に試みとして面白かった。2024/02/03
マッちゃま
16
文庫化の際「犯人選挙」を改題。年越し本にして本年最初の読了本。いや、読み終えて「コレってミステリ?」と言いたくなる様な内容ですが、やっぱミステリなんだと思います(笑)第1部で起こるクロサーっぽい状況化での密室での不審死。死んだのは屈強な若い男性。誰が?なぜ?どうやって?の本格ミステリ的な謎が立ち上がる。本書の肝とも言える大きな物語の転換を迎える第2部を経て、怒涛の解決篇となる第3部。個人的に過去作のミステリー・アリーナ」は変に期待してハマらなかったんだけどコチラは素直に楽しめました。変化球なミステリかな。2024/01/05
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