- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
マヤのピラミッド、ナスカの地上絵、マチュピチュの祭祀、湖上都市テノチティトラン。最新知見から実像を描き、文明の見方を覆す!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
36
先コロンブス期の中南米に栄えたメソアメリカ文明およびアンデス文明に属する4つの文化・国家に関する論考を収めた新書。2023年刊。執筆者はいずれも各分野のトップレベルの研究者。マヤにおける図像表現の役割の変化や、インカは帝国か否かなど、いずれも興味深い内容だったが、それはあくまで自分がある程度この分野の知識を持っていたからであって、高校教科書レベルの読者はついて行けないと思う。冒頭で古代アメリカの両文明を取り上げた新書を刊行する意義について意気揚々と書かれているが、内容がそれに合っているかといえば少々疑問。2024/03/19
よっち
35
マヤのピラミッド、ナスカの地上絵、マチュピチュの祭祀、アステカの湖上都市など、ヨーロッパ人発見以前の新大陸の歴史から常識の嘘を明らかにし、文明が生まれる条件を考える一冊。最も洗練された石器の都市・文字文明=マヤの最古の公共祭祀建築。アステカ王国の生贄の虚像と湖上都市。ナスカ地上絵の分布調査と、なぜ巨大な地上絵がナスカの縦断ルートに作られたのか。ワロチリ文書が語るアンデス先住民の精神世界、統一国家のないネットワーク型文明など、調査から分かっている今に続く中南米独自の豊かな文明のことを感じることができました。2024/01/22
鯖
23
文字をもたぬ文明が多く「家畜のミルクの香りのしない文明」である古代アメリカ。高低差も寒暖差も激しく、他民族国家であるというよりも、ともかく環境が違いすぎる人々が生きていたんだなあと思った。トウモロコシやジャガイモはこの地域が原産であり、厳しい環境で育つ作物だったため、結果として小麦や稲を栽培できない世界各地でも育つ。ヨーロッパが略奪しつくした先住民の贈りものが結果として、世界中の人々の命を救ったという指摘がよかった。欧米はクソ。2024/04/29
ぽんすけ
19
学術的に見て古代アメリカ文明ってのは異色だね。異色と思うこと自体が西洋史学的見地にどっぷり浸かってることなんだろうけど。私は山川出版教科書でどっぷり四大文明世代なので、四つしかない一次文明のうちの二つと知って非常に驚いた。そしてナスカ・インカといったアンデス文明は無文字文化であるというのもやはり驚異的だなと。キープと絵図で社会が回ってたというのがすごい。でももし彼らが文字を持っていたとしたら現代を生きる南米の人にとっても自分たちのルーツや伝統を知る大きな手掛かりになったろうと惜しい気持ちもある。2024/11/14
HaruNuevo
19
読者の殆どはメソアメリカ、アンデスの文明については実質的に初学者のはず。初学者が読んでメソアメリカ アンデスの文明の姿が浮かび上がってくるか甚だ疑問。 特にマヤ文明に関する章は内容がとっ散らかってる感が強かった。インカ社会の章は比較的わかりやすかったかな。 教養新書一冊の中の一つの章で語り切るには限界があるのだろうな。 しかし、マヤ文明の古さには驚いたと同時に、自分が何も知らないことも痛感した。2024/02/18