内容説明
【「がんを治す」ための正しい知識が身につく】
がんの罹患数は年々増加しているが、
医療の進歩に伴って、死亡率は減少している。
そんな最新医療の恩恵を受けるには、
治療を受ける側、患者をサポートする側の知識も欠かせない。
手術、放射線、抗がん剤(薬物療法)、免疫療法は、
どのようなメカニズムでがんを退治するのか。
最新検査から遺伝子情報に基づくがんゲノム医療まで、
エビデンスに基づく「意味のある治療」とはどのようなものか。
2人に1人がかかり、
「国民病」ともいえるがんと折り合いをつけて生きるために、必要な知識を徹底解説。
【おもな内容】
・どんな検査でなにがわかるか
・腫瘍マーカーは目安にすぎない
・手術するかしないかを決める基準
・手術が先か、抗がん剤が先か――治療法の選択と順序
・臨床試験に参加するにはどうすればよいのか
・転移がんの治療方針
・ガイドラインを超えた選択をするとき
・がん組織を取らずに検査できるリキッドバイオプシー
・「薬が効きそうか」を判断する遺伝子検査
・分子標的薬、免疫療法の最新事情
・「標準治療」=「並みの治療」ではない
・「がんの遺伝子情報」に基づく個別化医療のはじまり ほか
――「後悔しない選択」 のために必要な知識が凝縮。
第1章 臨床医が考える「がんとは何か」
第2章 どんな検査で何がわかるか
第3章 治療方針はどのように決まるか
第4章 手術でがんを取り除く
第5章 放射線でがんをたたく
第6章 薬でがんをたたく
第7章 がん免疫療法でがんを追い込む
第8章 一人ひとりに合わせたがんゲノム医療
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶのぶ
33
母のことで読んでみることに。ブルーバックスの新刊本。はじめの方など、母のことでリアルタイムに聞かれた通りのことが書いてあり、母の診断結果を聞くときや、これからの治療方針を決定するときにも参考になった。残念ながら、読んであることで先が見えてしまうこともありました。早期に癌が発見できれば、治すことや5年後の生存率が高まるし、医療が進歩していることで、標準治療がより良くなっている、さらに良くなる可能性がある。でも、母のような場合に対応する病院がないのが残念。いかに早く見つける方法の進歩をのぞむ。2024/01/10
k sato
24
口にすることすら恐ろしかった。「がん」告知がタブーとされた1990年代。しかし、2024年において「がん」は不治の病ではなくなった。日本人の2人に1人が一生涯に罹患するとされる「がん」。企業における健康診断の義務化や検査技術の精密化により早期発見・早期治療が進み、「がん」は治る病になったのだ。抗がん剤の改良や創薬は、患者の心的・身体的負担を軽減すべく躍進してきた。更に、免疫療法やがん遺伝子解析に基づく個別化医療が厚労省から認可され、治療の選択肢の多様化が患者に生きる希望を与えている。あきらめないでほしい2024/06/11
kitten
18
図書館本。がんの治療法、ブルーバックスで。少し前は、手術、放射線、化学療法の三本柱だったが、現在は免疫療法もはいって四本柱になってるのか。治療法はどんどん進化していて、治療成績もよくなってる。あとは、コスト面かな。遺伝子検査が高すぎる。もうちょいコストダウンできるようなイノベーションがほしいけど、これでも昔に比べるとはるかに進歩してるんだよね。情報のアップデート大事。一般向けだけど結構詳しかった。2024/02/19
zoe
15
以前家族が患った際に、色々と勉強したのですが、しばらく経つと情報が何もかも新しくなっています。第3章にエビデンスに基づいた標準治療へのリンクが紹介されていました。https://ganjoho.jp/pubic/dia_tre/diagnosis/hikkei_02-01-03.html2023/12/31
奈良 楓
13
【とても良かった】国立がん研究センター著。 ● 製薬会社に投資しているので、勉強のため読みました。 ● 文系にとってはとても難しいですが、ブルーバックスらしい丁寧な解説にあふれた本。 ● ステージとは、など基本的な知識も理解できた。 ● がんの治療とは、その個人の状況を判別しさまざまな分野の医師たちによる高度な知見とすり合わせの世界であることがわかりました。画期的な医薬品や最新技術がが必ずしもオセロのように状況を覆えせるわけでないことがわかりました。 2024/01/25