ここでは祈りが毒になる

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ここでは祈りが毒になる

  • 著者名:嶋中潤【著】
  • 価格 ¥1,881(本体¥1,710)
  • 講談社(2023/12発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784065339954

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内容説明

子どもは救いであり希望。母でいることは罰。

函館にある医療刑務所分院に努める勤める金子由衣(かねこゆい)が受け持つことになったのは、不摂生の塊のような妊婦・敏江だった。お腹の我が子を心配するよりニコチンを欲する態度に驚き呆れながら、不幸な境遇から抜け出せなかった彼女の人生を思うと複雑な気持ちになるのだった。敏江は難産の末、重い障害を抱えた女児を出産する。すぐにNICUに移され懸命な治療が行われたが敏江は気に留めることもなかった。そんな敏江が数日後死亡する。リスクだらけの身体なので、何が起きてもおかしくはなく、司法検視の結果も問題はなかった。しかし、その数日後、「死にたい」が口癖の緑内障受刑者、明美が死亡した。死因が敏江と似ていることから、院内に緊張が走る。自殺なのか? 敏江の死と関係はあるのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

153
久しぶりの嶋中さん。帯の『塀の向こうへ出る方法は四つ。』に誘われて、函館医療刑務所分院に勤める矯正医官・金子由衣が主人公のシリーズ第2弾(前作は未読)を読んだ。受刑者2人が続けて亡くなりその死因が腑に落ちず、真相を明らかにする顛末なのだが・・読み初めは淡々と字面を追う読書だったが、犯人捜しはいつもハズす私でも怪しいと思った受刑者の娘を通して、母と娘・受刑者と家族を慮る読書になった。ただ私的には金子にもう少し魅力が欲しいなぁ(汗)我儘読者で申し訳ない。2024/01/09

おしゃべりメガネ

116
函館にある医療刑務所シリーズ第2弾。前作で尋常ではない衝撃を受け、本作をすぐに手にとり、貪るようにページを捲り続けました。本作は女性受刑者へのケアがテーマで、覚醒剤常習者や糖尿病の患者らの話になります。前作以上に命の尊厳について綴られており、重厚さはさらにパワーアップしています。またミステリー、サスペンスとしてのクオリティもかなり高いレベルにあり、本作のような作品がもっと多くの方に読んでいただきたいと切なる願いでもあります。400頁弱のボリュームながら、素晴らしい名作の輝きをしっかりと感じる作品でした。2024/06/21

machi☺︎︎゛

94
初めての作家さんで何の情報もなしで読んだから読み始めは医療刑務所で起こるいざこざとかかなって思ったらいつの間にかミステリーになっていてすごく面白かった。ここに収容されている妊婦さんや末期癌患者。それぞれが背負っている過去の大きさ。そして支える家族の負担。母から娘に面会の度に言われていた言葉「自分の好きな事をして楽しく生きて」。その言葉のせいで逆に離れられなくなっていく娘。生きる気力を無くした母が選んだ方法のトリックは今まで読んだ本にはないものだったのでびっくりした。この作家さんの本をもっと読みたいと思った2024/06/06

J D

85
 あー!読んでしまった。前作「ここでは誰もが嘘をつく」があまりにも無惨な結末だったので、今回は少しはましかなと思い、怖いもの見たさもあり読んだのだが。結果は、前作同様倫理観の欠片も感じられない結末だった。構想も展開も面白いのになんで罪人前作は北条、今回は里奈を罰しないのだろう。この不思議な倫理観について行けない。2024/02/17

itica

81
医療刑務所医官2年目となる由衣が分院で起きた受刑者の連続死の真相に迫る。母親が娘のために殺人を犯してしまったら、娘の受ける重圧はどれ程のものだろう。しかも手の届かないところにいる母は病を抱えている。そんな状況に息苦しさを覚えた。そしていつ何時道を踏み外すか分からない不確かな人生を私たちは歩んでいるのだと、恐怖を感じる瞬間もあった。存在すらあまり意識しない医療刑務所のミステリは、前作よりさらに深かった。 2024/02/02

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