内容説明
「二十歳まで生きられない」という呪いをかけられた少女・澪を救うには、呪術によって生み出された悪霊・千年蠱を祓うしかない。しかしそれは、澪が心を寄せる少年・高良の死を意味していた――。呪いだけ解いて、高良を生かす方法を探る澪だが、高良の孤独な姿を見るたび、胸が苦しくなる。禁忌に立ち向かおうとする澪の想いは、高良に通じるのか。前世からの宿縁で結ばれた二人に待ち受ける運命とは。蠱師たちの闘いが激しさを増すなか、窮地に陥った澪を心配する兄の漣、護衛役の波鳥は……。白い狼の雪丸、そして狸の照手ら精霊たちも、澪にそっと寄り添う。『後宮の烏』で人気の著者による、呪術幻想譚シリーズ第四弾。文庫書き下ろし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
99
シリーズ4作目。ラスト、千年蠱の呪いを解き、高良を救う手がかりを見つけた澪…。いよいよ物語は大きく動き出す予感。次巻が楽しみです。今作は不穏な部分がいつにもましてじっとりと嫌な感じで読み応えありました。2024/01/25
真理そら
72
自分にかけられた呪いを解くと高良が消える、けれど高良には消えてほしくないという歴代の多気女王と同じ悩みの澪はどんな解決を見出すのか次巻が楽しみ。(先輩の「着物好きの妹」ってもしかしたら…)2023/12/30
はつばあば
55
多気女王の歴代の生まれ変わりが千年蠱を祓えない。なぜなら・・。祓う気がなく助けたいと願う想いが溢れている。今度こそ・・次巻で澪が高良を孤独から救い出すことができるだろうか。ハラハラします(#^.^#)。京都には神社仏閣がいっぱいありますが、金満家の神社仏閣でなく本当に災いを防いでくれるのはどこでしょうね。いやいや私の信心が足りないのでしょう(◞‸◟)2024/01/10
はにこ
52
八尋って飄々としてるな。良い人なんだろうけど掴みどころない感じ。高良と澪はこれからどうなんのかな。家を巻き込んだ一騒動あるんだろうな。モフモフの照手想像するだけで可愛いんだが。みんなハッピーな結果になりますように!2024/04/19
ひさか
48
2023年12月PHP文芸文庫刊。書き下ろし。シリーズ4作目。みたまのやしろ、殯宮、呪いは朱夏に恋う、番外編虚ろ菊、の4つの連作短編。八尋の仕事を手伝う澪に兄の漣や和邇の波鳥らも参加しての硬派な祓い屋ストーリーが主だが、少しだけ千年蠱の高良も登場する。高良を救う手立てというか戦術的なものを見つけた澪のこれからの活躍が楽しみ。2023/12/31