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内容説明
人間は老いと死に向かって歩いていく。その不安の中で、できるだけ老化を抑制するよう自らも努力し、医師にも手伝ってもらう。そして、死に向かって生きる歩みの中に生き方を考え、「ありたい自分の姿」を発見するという生き方をしたい……。そう著者は提唱する。現在94歳になる著者は、59歳の時に赤軍派による日航機「よど号」のハイジャック事件に遭遇し、4日後に無事生還した。それを契機に、自身の人生哲学を築き始めた、と言う。その一端として、「今日を精いっぱい大切に生きることが、死をどう生きるか、死への挑戦になる」「老いても開発できる新しい自己がある」等々、半世紀以上、内科医として人の命に寄り添ってきた体験から学び取った人生哲学。そして、人から示された生き方や老い方、病み方や死に方の極意が、本書にまとめられている。人間として最期までイキイキと生きる上での大切な知恵を、温かな眼差しで書いた実践哲学書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アイナ
5
よりよく生き、よりよく死ぬために何をしたらいいか、ゲーテやシェイクスピアの言葉を引用しながら分かりやすく教えてくれます。「定年になったら○○しよう」とよく言いますが、私の父は引退間際に病気に倒れ、「小説を書こう」「ヨーロッパに行こう」という夢を叶えることが出来ませんでした。もし私に死が迫ったら、「大切な人と過ごしたい」「美しい風景を見たい」です。夢は先延ばしせず、今も心がけています。日野原さんのように生涯現役で、最後まで身体を動かして働くことは大切ですね。病弱だけど長生きの家系の私は肝に銘じておきます。2016/08/29