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内容説明
コロナ前は200万人超の日本人が訪れ、観光地として人気が高い台湾。「台湾有事」という言葉が紙面を賑わすこともあり、日本の関心は高くなっている。しかし、私たちは台湾をどれほど知っているだろうか。中国と台湾の関係は? 首都はどこにある? 国連に非加盟なのはなぜ? 隣の島でありながら、私たちはその歴史や社会のことをあまり知らない。本書では、6つの問いからそんな台湾という“国”の姿を詳らかにしていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
103
著者は元朝日新聞の台北支局長。分かりやすい解説の中に、ハッとする見解に出会う:(国民党は親中、民進党は反中と思い込んでいたが)国民党は反共産党だが反中ではなく、民進党は反中国だが反共ではない。中国共産党にとって台湾侵攻は、自国民を中華民国政府から救い出す「内戦」。台湾と朝鮮半島における日本占領時代の評価の違いについての見立ても面白い。台湾有事などと勇ましいコメントが飛び交う昨今だが、そもそも、三次にわたる台湾海峡危機の歴史や、本書に記されたような「台湾の本音」を認識した上での、冷静な態度が必要だと感じる。2024/03/24
あらた
47
台湾を理解したい人にぴったりの入門書だった。台湾について持っていた素朴な疑問がかなり解消できた。お勧め。2024/02/05
Hatann
9
台湾が関係する諸問題を考察する前に、台湾を基礎から理解しようと試みる。問いから考える台湾というアプローチをとっており、その有機的な結びつきを通じて、台湾像がくっきりと浮かび上がってくる。台湾は「国」なのか、台湾の「歴史」はいつから始まるか、台湾の人々は「中国」をどう考えているか、「台湾アイデンティティ」はなぜ生まれたのか、台湾は「親日」と言っていいのか、「台湾有事」は本当に起きるのか。著者は「台湾は未承認国家である」と喝破するが、台湾の人々との交流に基づく考察から、目を開かされる。程よい距離感が心地よい。2023/12/24
Marcel Proust
4
台湾では先日総統選が行われたが、日本の隣人でありながら実像が見えてこない台湾を捉えた入門書的一冊だ。日本人は驚くが、「民主主義指数・報道の自由指数」は日本よりも上なのが台湾だ。投票率も高く、一人ひとりの台湾人が台湾の将来を決める民主主義への思いも高い。仕事で台湾に赴任した日本人が、同調圧力の権化のような日本社会に戻りたがらない事も多いと著者は記している。独裁者が強権支配を強める大陸側とは対照的な台湾。「統一か独立か」という単純論ではなく、台湾を幅広い側面で捉えることの出来る、入り口となる一冊だ。2024/01/19
ののまる
4
超入門編。2024/01/05