ああ、ウィリアム!

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ああ、ウィリアム!

  • 著者名:エリザベスストラウト【著】/小川高義【訳】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 早川書房(2023/12発売)
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  • ポイント 810pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152102935

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内容説明

作家ルーシー・バートンの前夫ウィリアムは、71歳にして人生の荒波に翻弄されている。彼の亡母ゆかりの土地を訪ねる旅に同行することになったルーシーは、結婚生活を振り返りながら、これまでの人生に思いをめぐらせる。『私の名前はルーシー・バートン』姉妹篇

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アン

90
作家ルーシーと元夫ウィリアム71歳。2人は離婚後も友好関係を続けているが、ウィリアムは亡き母の秘密を調べるため、ルーシーとメイン州北部の旅へ向かう。子供時代、結婚生活、人々との交流が義母との想い出や娘達の会話を通し濃やかに綴られ、ルーシーの心の機微や複雑な人間関係が少しずつ浮き彫りに。貧しい生い立ちの影響、愛する人の安らぎと別れ。積み重ねた人生を冷静に振り返るルーシーだが、彼女のさりげない優しさやしなやかさは何処か切なく愛おしくなる。人は謎だらけでも、触れ合うことで見出せる灯もきっとあると想いを馳せる。 2024/01/18

kaoru

78
最初の夫ウィリアムとの日々を回想するルーシー・バートン。極貧の幼少期を送った彼女はウィリアムとの結婚で豊かな生活を送り作家として立つ。彼女は三度目の離婚をしたウィリアムに付き合って故郷に住む彼の義姉ロイスに会い、義母キャサリンの意外な出自を知らされる。老齢に達した彼らに深い影響を及ぼした戦争。ドイツ系の父を持つウィリアムはダッハウのガス室や焼却棟の夢を見るがルーシーの父も戦争のPTSDに悩んだ。様々な人の過去がつながって今の自分がある。そして人間はたとえ近しい関係であってもお互いを完全に理解はできない。→2024/02/27

たま

71
2022年のブッカー賞最終候補作だったとか。面白くて一気に読んだ。ルーシーが最初の夫ウィリアムを語る。娘が二人いるが離婚、会うと「ああ、ウィリアム、あなたってこうだったわね」とか「ああ、ちょっと変わったのね」とか思う、その機微がさらっと書かれしっかり伝わって来る。2人で義母の過去を調べに旅行に出かけ、それまで見えていなかった義母の過去、義母と夫そして自分との関係性も見えてくる。人はこうして身近な人との関係で作られる面があるのは確か。自分自身を顧みて思うところが多く、短い小説だが豊かで深い読書だった。2024/03/09

なゆ

69
シリーズ第3弾。元夫ウィリアムとは離婚後も友人のような仲。ウィリアムの亡き母キャサリンの秘密にショックを受けたウィリアムとルーツ探しの旅に出る。道中ルーシーの胸中にいろんな「ああ、ウィリアム!」が訪れ、二人の、家族の、これまでのいろいろな事も思い返される。ウィリアムは意外にどうしようもない人で、ルーシーだって結構自分勝手なとこもあり、お互い「ああ、」な旅。どうしようもないけど何とか折り合いつけて、2人の腐れ縁?はまだまだ続きそう。人生ってそんなもんかも。でも親たちの貧しさからよくぞここまで、上々の人生だ。2024/01/20

ヘラジカ

60
思わずため息が漏れる素晴らしさ。現存する作家でエリザベス・ストラウト以上に、魅力的な人物造形を”人生”という物語の形で巧みに視覚化させられる人がいるだろうか。人間関係もそれに伴う感情も複雑で、何を取ってもまっすぐ綺麗というわけにはいかない。人生は悲喜こもごも、酸いも甘いも噛みしめて、時に立ち止まり、時に振り返って後退する。線で描くならぐちゃぐちゃで、色で表すならモザイクのようになってしまう。でもだからこそ人間は面白いんだ。最後のパラグラフはここ最近読んだ文章の中でもとりわけ琴線に触れた。傑作。2023/12/08

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