ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 誰も悲しまない殺人

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ハヤカワ・ミステリ文庫
誰も悲しまない殺人

  • ISBN:9784151858512

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内容説明

顔を撃たれ殺されたリジー。リジーは町の野球チームのエースを引退に追いやったために嫌われており、町の誰もが彼女の死に同情しない。ある事情でリジーと結婚した元エースが失踪し、警察は彼が犯人とみて捜査を行うなか、彼女が接点不明の有名インフルエンサーに別荘を貸していたことが判明し。解説/村上貴史

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yukaring

61
湖畔の貸し別荘で発見された女性の遺体。鼻を切り取られ顔を蹂躙された死体は体の特徴からコテージの持主リジーだと確認される。町の嫌われ者だったというリジー。バード刑事が捜査を始めるがリジーの夫のドウェインの失踪、別荘を借りていた金持ちのインフルエンサー夫婦の不審な動き、つじつまの合わない出来事が彼を悩ませる。いったい何がどうつながるのか?リジー視点から語られる過去、バードによる捜査状況、金持ちの妻エイドリアン視点の現在。読み手に真相が見えたと思わせてからひっくり返す二段構えのラストが鮮やかな異色のミステリ。2024/02/03

空猫

31
よそ者ーと言うだけで村中から嫌われていたリジーが殺された。犯人はすぐに知らされて、話は彼女の生い立ちと共に、何故こんな殺人事件が起こるに至ったのかを語る事で進む。ほうほう。あ~あれもこれも伏線だった。久しぶりに見事などんでん返しを堪能できた。ツッコミどころは多いが読ませるから良いのだ。ネタバレになりそうで多くを語れないが、ただ「接着剤」は無い。2024/02/13

まぶぜたろう

15
「もう死んでいる」女性「リジー」の一人称は容易にその顛末が予測できるが、それが悪いわけではない。意外性よりも、リジーのこれまでの人生と人物像を描き出すことが眼目だからで、これが読ませる。ハイスミスのようでありながら、クールに登場人物を突き放すのではなく、生々しく、時に生理的な嫌悪感さえ覚えさせる文章がいい。その中で私たちはリジーの強さと弱さに惹かれていく。それが後半のヒリヒリした倒叙サスペンスにつながる。うまく行き過ぎでない?という批判をものともしないほど彼女は魅力的だ。傑作。(◯◯◯●●●)2024/04/05

一柳すず子

5
お父さんから愛されてたってのが救いだったな。惰性で続く結婚生活をやめるのって難しいよね。35年前の話は必要なのか?2024/03/30

tsubaki

1
私はもう死んでいる、と始まる物語。これは主人公リジー銃殺から始まる死者の語り? リジーは信頼できる語り手なの? 死体が発見され、その顔は判別出来ない。町から来た刑事が地元警官に尋ねると、彼らは嫌な笑いを貼り付けて間違いないと頷く。 この小さな町での、リジー父娘の立場が分かる場面。 リジーは確かに村のヒーローと結婚したし、センスを活かして別荘ビジネスも好調。 別荘はインフルエンサーの贔屓になり、歪んだ友情めいたものも生まれる。 リジー、今まで幸せをお預けされた利子だと思って。 掴んじゃいなよ!新しい人生!2024/02/29

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