内容説明
「どうしても後世に伝えて欲しいことがあります」原発事故の最前線で陣頭指揮を執った福島県浪江町の「闘う町長」は、死の直前、ある「秘密」を新聞記者に託した――。娘を探し続ける父親、馬に青春をかける高校生、名門野球部を未来につなぐために立ち上がったOB、避難指示解除後たった一人で新聞配達を続ける青年、そして帰還困難区域で厳しい判断を迫られる町長たち……。開高健賞受賞記者が原発被災地に3年半住み込んで記した震災ルポルタージュ。第2回ジャーナリズムXアワード(Y賞)受賞。
目次
序章 白い土地
第一章 夕凪の海
第二章 馬術部の青春
第三章 「アトム打線」と呼ばれて
第四章 鈴木新聞舗の冬
第五章 ある町長の死 I
第六章 ある町長の死 II
第七章 ある町長の死 III
第八章 満州移民の村
第九章 フレコンバッグと風評被害
第一〇章 新しい町
第一一章 聖火ランナー
終章 一〇〇〇年先の未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
32
2020年初版、先日圧倒された「太陽の子」著者によるウェブイミダス連載などをまとめた本の文庫版です。解説は渡辺一枝さん。たまたま政治や現代社会への怒りに満ちた「無法の世界」と同時期に読みすすめたため、私の脳内で不思議なコラボが起こりました。シンクロニシティにはもう驚きません。私たちはみんなわかっていて、怒っていて、どこかあきらめながら愛する人たちだけのためにその日暮らしをしている。日本だけじゃないんじゃないかな。私たちは今多くのものを奪われているけれど、思考の場だけは持ち続けたいなあ…。2024/01/31
みなみ
7
「五色の虹」を読んだことがあり、こちらも読んでみた。浪江町で新聞配達、癌になった町長の口述筆記、中間貯蔵施設の取材、台風による汚染土の流出。満州から帰ってきて福島に根付いたのに原発事故が起きて住めなくなる。東京五輪を復興五輪と称したいために福島の現実は伝えられない。東京に住んでいる身としてはなんとも言えない。2025/03/23
シュークリーム・ヤンキー
3
安定の三浦記者。筆者自ら被災地で暮らし、地元社会の中に入り込んで書かれた内容だけに、重層的で濃密。(まずその行動力と人間力が凄すぎる…。)夢中になって読んだ。 国や東京目線での「福島復興」が、如何に現地目線からズレたハリボテのものなのか思い知らされ、ただただ衝撃を受けた。また同時に感じたのは、「加害者」「被害者」に二分できない、地元社会の複雑性だ。原発を熱心に誘致し、原発事故直後は町民の命と生活のために、国や東電と必死に闘った浪江町長の話は心に残った。2025/01/01
カノープス
2
力のあるノンフィクションを連発する著者による福島定点観測。そこに暮らす人々のルポ。被災地の町長の無念に迫った三章が一応の読みどころとなるか。個人的に読後の印象として残るのは、主役となるべき福島の民ではなく、東電や政府関係者の不誠実な態度である。彼らと三浦のやり取りにはやるせなさを感じざるを得ない。それぞれの立場があるのだろう。だからこそ言えない事ばかりなのだろう。それが哀しい。2023/11/11
たいたいぶん
0
三浦氏の著作は初。朝日新聞記者ということで、この政府を追及し、住民たちの姿、後悔を鮮明に記しているところは朝日新聞記者らしさを感じた。 新聞配達を手伝い、そこで生の声を聞こうとした彼のその胆力に驚く。さすがルポライターと言えり、だからこそここまで様々な声が伝わる本ができたのだろう。 個人的に思ったのは国や東電の不誠実な態度。特に水素施設の土地をめぐる話や、復興五輪の偽善さ、そして馬場町長の口述筆記を見て思うことも多くある。 福島は他人事のように見聞するが、自分事として考えなければならないことだ。2025/03/31
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