内容説明
雨穴最新作!『変な家』第2弾!
14万字超、完全書き下ろし!
あなたは、この「11の間取り」の謎が解けますか?
前作に続き、フリーライターの筆者と設計士・栗原のコンビが
不可解な間取りの謎に挑む。
1「行先のない廊下」
2「闇をはぐくむ家」
3「林の中の水車小屋」
4「ネズミ捕りの家」
5「そこにあった事故物件」
6「再生の館」
7「おじさんの家」
8「部屋をつなぐ糸電話」
9「殺人現場へ向かう足音」
10「逃げられないアパート」
11「一度だけ現れた部屋」
後編「栗原の推理」
すべての謎が一つにつながったとき、きっとあなたは戦慄する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bunmei
499
覆面作家・雨穴作品の第3弾。不可思議な家の間取りをモチーフに、そこに潜む謎に挑むミステリー。今回は、11もの間取りに関わる人々と、筆者とのインタビュー形式で物語は展開し、前半の布石が、鮮やかに後半で回収される。人間の強欲によって餌食となった者の苦悩、倫理を逸脱した恋愛の果ての犠牲、理不尽な出生による人生の歪、等を含みながら、その中心にあったカルト宗教の裏に隠された秘密が、間取りの謎を解き明かすことで繋がりをみせてくる。人間のそこはかとない闇の部分が、悲しく、そして切ない陰の世界へといざなっていく。2024/01/11
ニカ
491
「変な家」の続編だけど、前作を読んでいなくても問題はない。(少しだけ話しに出てくるから読んでおいた方が良いけど) 前作よりも間取りが11種類あり、1つ1つに意味があり、最後に全部繋がる構成は流石。2023/12/20
Kanonlicht
475
前作出版後に読者からたくさんの「変な家」情報が寄せられ、その中からつながりが見えてきた11の建物について調査するモキュメンタリー。建物の数が増え、それにまつわるエピソードもバラエティに富んでいて、次は一体どんな手法でくるのかと楽しみながら読んだ。一方で、最終的にそれぞれの建物について一応の考察は語られるものの、結局あれは何だったんだと思うこともいくつかあり、やや消化不良な点も。前作が映画化されるけど、図面から想像するからこその面白さはあると思う。2023/12/18
ユースケ
388
『変な家』では、あらぬ方向に話が転がり、なかなかに消化できなかったが、続編は果たして。 前作からの主人公のもとに寄せられる奇妙な間取り図をもとに話が進んでいく。モキュメンタリー要素を巧みに盛り込まれており、実際に起きているような気持ち悪さを演出するのが本当に巧い。11の間取り図には、様々な奇妙さが有り、点と点が少しずつつながっていき、結末への期待が高まる。後半ネタバレの感想については略す。やや荒削り感はあるものの、前作と比べれば悪くない。欲を言えば、もう一つ強めのオチがあると、よかったかな、と。 ★3.52025/07/31
菅原孝標女@ナイスありがとうございます
240
『変な家』、『変な絵』に引き続きこちらもサクッと読了。11の間取りで起こったことが最終的に繋がっていくというストーリーは読み応えがあった。ただ、一気に読んだ割には、“面白かった”感は薄かった。栗原さんの推理も前項までの引用が多く、何ページ超の推理!と謳うには..。2024/04/12