内容説明
イルカとは、口のなかに歯が生えた鯨類で、体長が4~5メートル以下の種を指す俗称である。6500万年前、イルカの祖先は海に戻り、哺乳類のなかでも独特な進化の過程を歩んできた。本書は、生物としての変遷、生態、視覚、聴覚、コミュニケーション能力などを説明したうえで、太古から現在にいたる各地域での人との関係、人間にも匹敵すると言われる知的な能力に目を向ける。謎が多いイルカの全貌をわかりやすく明らかに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lee Dragon
21
イルカの科学的な知見よりも民俗学的、神話的な話に半分を割いている。鯨とイルカは同種なのに人々に対するイメージがこんなにも違うことが面白い。バブルバインドを脱することができるイルカの知性は人間を超えている部分があると感じる。2022/05/06
牛歩
3
サブタイトルどおり生態・六感・人との関わりについて概観している。/歯の年輪で何歳か分かるというのは初めて知った。/イルカに対する西洋人の感覚を、関わり合いの歴史を見ることで説明しており一定の納得感。/いわゆる捕鯨問題の、どちらの側に偏ることなく冷静に書かれているのが良い。2013/05/18
Koji
2
もっと科学的な話が知りたかったな。2014/08/17
Nunokawa Takaki
1
この本ではイルカの生態や人間がイルカをどう認識してきたのかの歴史が説明されている。どれも目から鱗だった。クジラとシャチの話も所々で出てくるが、面白いと思ったのは「クジラは怪物と見なされ、シャチは獲物を海岸に運んでくれる崇めるべき存在、そしてイルカは敵でもあり味方でもあった」といった話だ。中世も現代も、ヨーロッパ人は自分たちを助けてくれたイルカに好意的だったのに対し、今の日本の漁師は、イルカを漁業を妨害する天敵と見なしているという。賢い点では現代の脳みそすっからかんな人間より断然上のような気が笑。2015/03/09
孤独な読書人
1
様々な地域のイルカ観が語られていて面白かった。日本のイルカ観は食糧としての側面が強く、近年のイルカブームによって西欧的なイルカ観が形成されたということが驚きだった。このようなことにも西欧の影響が出てるということに近代化の影響の大きさを感じた。2011/10/29
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