講談社学術文庫<br> 新論

個数:1
紙書籍版価格
¥1,386
  • 電子書籍
  • Reader

講談社学術文庫
新論

  • ISBN:9784065341971

ファイル: /

内容説明

【幕末に「志士」たちを生み出した最重要思想書、その全貌を読む!】

―臣ここを以て慷慨悲憤し、自から已む能はず、敢えて国家のよろしく恃むべきところのものを陳ぶ―
「序論」「国体」「形勢」「虜情」「守禦」「長計」からなる全篇の本文読み下し。平易な現代語訳・懇切な語釈を掲載。
さらに参考資料として、正志斎がのちに開国政策を提言した『時務策』を併載!

文政八年(1825)、幕府は異国船打払令を出し、日本近海に接近する外国船全てに対して砲撃を加え、排除することを決定した。会沢正志斎が『新論』を完成させたのは、まさにその直後のことである。
一読するとわかるように、その内容は西洋諸国と直面をせまられ始めた日本全体の、今後の政策を提言するものである。だが、水戸藩主を通じて幕府を動かそうという正志斎の期待は実現されることもなく、また異国船打払令も徹底されずに、沿岸には外国船が自由に航行することが常態化した。
しかし本書は、正志斎の関係者から友人へ、その友人から別の友人へと筆写が重ねられ、日本全国へと広まっていくこととなる。それは匿名の著作ではあったけれども、人々を引きつける何かがあったのは確かであろう。天下太平と呼ばれた時代にあって、その裏にあった言いしれぬ不安というべきものを明らかにした、という理由もあろう。結果的にこの書は、全国の志ある多くの人々を目覚めさせることとなった……


*本書は訳し下ろしです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ohe Hiroyuki

1
19世紀末から幕末を生きた会沢正志斎の最も有名な著作といってよい本の全訳である。当時の人々にこぞって読まれたというが、読んでみるとなるほど納得できるような内容である▼我が国とはどのような国であるか、そして当時の国際情勢、我が国の進むべき道(政策)について極めて明瞭かつ簡潔に書かれている。要は分かりやすいのである。▼会沢正志斎が、水戸藩の彰考館での勤務が長く、儒教と国史に精通したことを活かし、当時の人々にとって基本であった儒教に根ざしつつ、我が国の個性について語る様は当時の志士達を大いに刺激したことだろう。2024/03/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21660908
  • ご注意事項

最近チェックした商品