内容説明
物部氏の正体、藤ノ木古墳の被葬者、古代出雲の実像、継体大王の謎、聖徳太子の謎、藤原鎌足の謎、葛城氏の興隆と衰亡、古代統一国家の形成……いまだに解明されない古代史の8つの謎に、練達の作家が大胆に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
47
著者自らが8つの古代史の謎のテーマを挙げ、それらについて著者の見解考察を述べている本。著者の小説の中にも取り上げられているモノも多く、著者の小説を読んでいれば何となくはその考察の道筋は見えてくるものの、ストレートで鋭い指摘で謎に取り組むその形態は、小説とは異なった趣があり、かつ著者の熱い思いが直接に読者に伝わってくるようで、読んでいて私の好奇心が全開でフル回転状態。本当に古代史は面白い。中でも著者の小説では読んだ事のない「藤ノ木古墳の被葬者は誰か?」というテーマで描かれた著者の考察を頷きながら読んだ。2018/11/08
AICHAN
37
図書館本。古代好きの黒岩重吾の本。面白かった。特に蘇我氏を渡来人だと見ている点が興味深い。そう考えたほうがいろいろなことのつじつまが合う。それと物部・蘇我戦争は神仏戦争ではなく皇位継承争いだったという視点にも納得。作家でありながら古代史についての勉強がすさまじく、その上で作家としてのイマジネーションを駆使して古代史を自由に語る。曖昧な言い方しかできない学者先生たちの著書とは違い実に歯切れのいい一冊だ。2018/12/02