内容説明
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水が涸(か)れ、弾が尽きる……
まさに“生き地獄”と化した凄惨な戦場を指揮し、
最後まで戦い抜いた栗林中将
米軍の戦死傷者数2万8686名は日本軍2万933名を上回った!
世界の戦史上、稀にみる死闘は、東京都内で行われた
――どうして、これほどの戦いを省みないのか――
「硫黄島の死闘から教訓を得て、今日に生かさなければ、それこそ栗林中将以下、守備隊二万人の死は無駄になってしまう」(本文より)
硫黄島の死闘が変えた戦後
「硫黄島の戦闘で日本軍が余りにも強いのを見て、アメリカはこんな強敵と戦争するのはもうごめんだと考えた。(略)硫黄島は、人類の戦史の中でかつて例のない果敢な戦いだった。戦後の日本にとってその戦果は非常に大きい。日本の繁栄に大変な功績を齎(もたら)したと言わねばならない。何故なら、この戦いの御蔭を持って本土決戦をせず、戦後の日本に圧倒的に有利な安全保障条約を結び、高度成長の繁栄を招いたからだ。神風はまさに戦後に吹いた」(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
54
大東亜戦争末期の硫黄島の戦闘は、戦史に残る大変な激闘であったこと、戦闘の指揮官が栗林忠通中将であったことは予て知る所であったが、本書はその詳細について余すところなく教えてくれる。一方で、硫黄島の戦闘がその後の日米関係に与えた影響の大きさについて、蒙を啓かれる思いで一気に読む。硫黄島の戦闘と原爆投下は、米国の本土決戦を思いとどまらせ、戦争終結を早めると共に、戦後日本の経済的繁栄をもたらしたという、著者小室さんの、正統派の歴史記述の陥穽を突く大胆な仮説は、栗林中将の事蹟と共に、広く知られるべき事柄ではないか。2023/12/29
めっかち
3
小室直樹博士の遺作の復刻、本書で小室博士は、戦後の高度経済成長をもたらしたのは、硫黄島における栗林兵団の死闘であるとする。なかなか面白い理論だが、実証主義的な歴史学の立場からは色々と批判があるだろう。まぁ理論構築を得意とした方法論学者、小室博士に「実証」云々いうのはヤボな気がする。小室博士の「日本国民よ、彼らのお蔭で今の日本があるんだぞ!」というメッセージはよく伝わったし、完全同意。あと、機能集団が共同体と化してしまうという問題も、今の日本人が向き合うべき問題だよね。2024/08/13
難波猛
1
#読書 ◆艦船も航空機も尽きて絶望的な太平洋戦争末期、全長18kmに及ぶ地下壕を人力で構築し、孤立無援の硫黄島で30日以上に渡り米軍の猛攻に耐え続けた栗林中将と2万人の日本兵 ◆駐米経験もあるエリートながら、危険な最前線で兵卒と同じ食事を共にした姿勢が、最後まで兵士に戦う気力と規律を維持せしめた ◆2万人中19000人が死亡したが、米軍6万人中28000人が死傷と大打撃を与えた ◆戦争を美化はしないが、こうした先人達の狂気に近い必死さが敗戦国ながら日本を一目置かせて繁栄の礎となった点に敬意を表したい2025/02/26
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