内容説明
人間の尽きることない欲望をあぶりだす美術ミステリー!
技術の粋を集めて作ったヴィンテージアロハの精巧な偽物を売り捌く男は、やがて……(「ヒタチヤ ロイヤル」)。素人の蔵から出た重文級の屏風。協力者を仕立て、安く買い叩こうとするが(「栖芳写し」)。古美術業界を舞台に、尽きることのない人間の欲望と騙し合いを描く、著者十八番の傑作美術ミステリー連作集。解説・山村祥
価値を知らない素人に、親切を装って作品を売りさばく段取りをつけるが――「マケット」
阿漕なホストに画廊勤務があると知り、美術品を使って罠を仕掛ける――「上代裂」
技術の粋を集めてヴィンテージ・アロハの精巧な偽物を作るが――「ヒタチヤ ロイヤル」
資産家に偽物を掴ませた悪徳業者を懲らしめようと、ある策略をめぐらす――「乾隆御墨」
素人の蔵から重文級の屏風絵が出た。安く買いたたこうと芝居をうつが――「栖芳写し」
財政難に陥った美術館が極秘に青銅器のコレクションを売るという――「鶯文六花形盒子」
※この電子書籍は2020年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コニタン
5
美術品と骨董品の黒川博行の得意分野の短編集、面白かった。黒川博行氏の奥様の装画いいね。2024/03/05
こけこ
5
古美術を通してのだましの手口は、なかなか巧妙で楽しかった。シリーズ3作目だとは知らず。1作目と2作目も読まなくては。改めて、古美術って怖いと思った。2024/01/30
アッコ
5
古美術等を扱う内容でしたが、私は全くの門外漢でチンプンカンプンでした。ただ、金の猛者集団で詐欺ばかり働く悪党たちが大活躍でした。2023/12/21
てん
4
古美術業界のことはよく分からないけど、次から次へと欲深い人間達があの手この手で凄いなぁと。短編で読みやすくて面白かった。2024/01/04
栄吉
3
☆☆☆☆☆ 古美術に疎い自分には…。2024/04/08