内容説明
緩和ケア医として長年、がん患者と向き合ってきた廣橋猛。そんな著者が2023年、自身もがんを診断された。すぐに手術を行い、幸い命に別状はなかったが、これを機に自身の考え方が変わった。それまでは、医師として文字通り365日患者と向き合う生活を続けてきたが、自分の体に鞭を打ちながら仕事をするのではなく、自分の健康を大事にし、生活の質を高めること。若いときはある程度無理をしてもなんともなかったが、40歳を超えたら体も思うように動かなくなる。そこで無理をするのではなく、自分の体を労わる。それが生活の質の向上につながる。
こうした考え方は、実は緩和ケアの考え方と同じなのだ。緩和ケアというと終末期の患者さんに対して行うものとイメージをされている方も多いが、病気の軽い・重いにかかわらず、つらさや痛みを取り除き、生活の質を高める、それこそが緩和ケアの本質とも言える。
本書では、医師であり、患者でもある著者が、その両方の視点で、緩和ケア的な生き方=がんばりすぎないで生活の質を高める生き方を紹介する。がんの患者さんのご家族だけでなく、これからを生きるすべての人に読んでほしい一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
31
脂が乗り切り40代緩和ケア医師が甲状腺がんを発病。「甲状腺の手術くらいで(なぜ?)そんなにビビッているんだ」の医療者目線も「自分事になるとまるで別」の罹患レポート。手術後の痛みは我慢せず薬は早めの予防使用(夜の痛みが敏感)。(そのために)ナース・コールは遠慮しない。体力が弱って飲み込みが悪いときは「ガリガリ君」が救いの神。緩和ケアは終末期だけのものではない。2人主治医体制で1人は緩和ケア医も効果的。信頼できるがん情報サイトは「https://ganjoho.jp/」 もしかの時の知見多数。2024/05/09
Keystone
9
健診の大切さを認識できたとともに、緩和ケアについても勉強になりました。2024/03/02
coldsurgeon
9
甲状腺がんのために甲状腺全摘術を受けることになった緩和ケア医師の、緩和ケアへの想いを語る。医師として24時間365日患者対応してきた著者が、手術を契機に心身に負担をかけられないと悟り、健康Ver2.0へと、自分らしく生活する健康を目指して生活の仕方を変えていく。目新しいことは記載されていないが、一人の医師の病気体験記として素直に受け止めておく。2023/12/06
Salsaru
8
X(旧Twitter)でフォローしてた緩和ケア医のがん闘病体験記。手術前の仕事の調整に親近感を感じた。緩和ケアについても、複数エピソードが挿入されているので二度美味しい本。2023/12/03
violeta
2
自分も1年ほど前に大病が分かり、入院・手術を経験したため大変共感出来る内容でした。この本を参考に私もがんばらない「健康ver.2.0」に移行していこうと思います。2024/01/07
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