山と溪谷社<br> ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う

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山と溪谷社
ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う

  • 著者名:大崎遥花
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • 山と溪谷社(2023/12発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635063159

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内容説明

「クチキゴキブリのメスとオスは、互いの翅を食い合うらしい」
類を見ない不思議な現象に惹かれた著者が、採集・飼育・繁殖方法など、わからないことだらけのこの生物に秘められた謎を体当たりで追いかける。
沖縄・やんばるでの採集、トライ&エラーの飼育、予算がない中でのDIYな実験、そして翅の食い合いの意義とは――行動生態学の基本と最前線をわかりやすく解説します。
また、そもそも研究とは何のために行うのか、学会を活用するには? 論文はどうやって書かれているのか、といった一般読者は知らないけれど興味深い研究の現場、研究世界の歩き方についても語ります。

本文に収録した超細密で美しいイラストは、著者による作画。研究対象である生き物と、それに生涯をささげる研究者、研究という営みの魅力が詰まった一冊です。


■内容
第1章/やんばるの地に降り立つ
第2章/謎の行動、翅の食い合い
第3章/三度の飯より研究
第4章/クチキゴキブリ採集記
第5章/実験セットを構築せよ!
第6章/戦場でありフェス、それが学会
第7章/翅は本当に食われているのか?
第8章/論文、それは我らの生きた証
第9章/ゴキブリの不可思議
第10章/研究者という生き物


■著者について
大崎 遥花(おおさき・はるか)
1994年生まれ。日本に現存する唯一のクチキゴキブリ研究者。
九州大学大学院生態科学研究室博士課程を修了後、京都大学を経て、2023年よりノースカロライナ州立大学で研究を行う。日本学術振興会特別研究員。
狭い場所が好きなのにアメリカの家は広く、最近落ち着かないらしい(研究者と研究対象は似るという)。
面白いといえばゴキブリ、でもカッコいいといえばカミキリ。ゴキブリ採集の副産物の土壌動物も好物。
ペンで生物画を描くのが趣味。クチキゴキブリ研究に生涯を捧げることになるのだろうなあと腹をくくっている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

106
(2024-37)【図書館本】嫌われ者の代表のようなゴキブリ。普段は「昆虫LOVE」な私でも嫌な存在だ。だが、世の中のゴキブリの99%は人里離れた森の中でひっそりと暮らしているという。そんなクチキゴキブリに魅了され、世界唯一のクチキゴキブリ研究家となった虫愛でる姫。オタク度満載、ゴキブリ愛がたっぷりと詰まった本書。これを読めば貴方も明日からゴキブリLOVE!に……なれるかはわからないが、著者が本当に研究が好きで好きでたまらないということが伝わってくる一冊。実に面白かった。文句無し五つ星!★★★★★2024/03/12

アナーキー靴下

50
読み終えてみて、いいタイトルだな、と思う。著者はクチキゴキブリの研究者。研究対象の生態話を交えつつ、研究者になるまでの軌跡を記した内容。でも著者のあり方は「好きなことを仕事にして生きていく」ための覚悟を持った歩み方で、研究者に限らない、とても大事なことを教えてくれる。どんな分野でもコミュニケーション力は重要とはいえ、世の中って捨てたもんじゃなく、困っている人を助けてくれる人はたくさんいる。ただ何に困っているかわからなければ助けようがない。だから自分の進む先を見据えた人には、自然と道が拓けていくと思う。2024/10/22

のぶのぶ

36
「博士号を取得 この人は、研究ができる、つまり論理的思考力も問題解決能力も企画立案能力もありますという国際的ライセンスが得られる。」読んでいくと、自分は、学生時代どうしても受動的なことが多かった。社会人になり、能動的なことも増えていったように思う。物理学者ファインマンさんの著書を読むと研究者同士のおしゃべりは憧れる。クチキゴキブリがつがいで子育てをすることや翅を食べ合うことも初めて知った。翅をコーティングし、食べ合うことがんなかったらの実験は面白く新たな発見を生んでいく。考えることの面白さを感じた。2024/03/27

キキ@新潮部

25
先月、サツマゴキブリを捕獲し、出産直後の一家を見守り、40匹の里親探しに翻弄した末、大学教授のご指導により、彼らが安寧に暮らせる環境に放した。その時に虫好き読友さん二人から薦められたのがこの本。私が体験したことの何十倍もの壮大なスケールで「クチキゴキブリの翅の食い合い」と向き合う著者。ひたむきなその姿は虫愛に溢れている。好きなことを深掘りしていく姿勢に、私は私の世界を深掘りしていく勇気をもらった。本を紹介してくれたお二人と、私の捕獲劇を興味深く聞いてくれた皆様に感謝!2025/08/12

みなみ

24
日本で唯一のクチキゴキブリ研究者が、分かりやすくクチキゴキブリの面白さを紹介する本。採集・飼育から実験セットの構築、撮影、そして論文投稿や学会発表まで、研究者のリアルな姿がよく分かった。クチキゴキブリが見せる謎の行動「翅の食い合い」がなぜ起こるのかを考えるのは、著者の言うとおり面白いものの、人生を捧げるのはすごい。2024/12/07

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