内容説明
プーチンはなぜ侵攻の理由に「ウクライナの非ナチ化」を掲げたのか?東西ウクライナの地政学的対立はなぜ生まれたのか?・・・その答えは「歴史」のなかにある。キエフ・ルーシの時代からリトアニア・ポーランド支配、ロシア帝国とハプスブルク帝国の支配を受けたウクライナ領域の人々。ソ連構成国を経て独立を果たした多民族国家の歩みをロシア・ウクライナ戦争まで、日本を代表する研究者が多様な視点から論考する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風に吹かれて
18
ウクライナの歩みはロシアをはじめとする周辺国の歩みを抜きにしては考えられない。ロシア、ポーランドなどに支配され、第二次世界大戦ではウクライナの地を中心にした独ソ戦と呼ばれる三千万人の命が消える殺し合いが行われ、スターリン時代にはウクライナの人々数百万人が餓死するような食糧供出を政府から強制され、東と西のせめぎ合いのなかで今もウクライナの地で人びとは安住できない。 →2024/06/15
ロビン
15
シェフチェンコの詩の背景とウクライナ戦争をより理解するために一読。東大をはじめとした大学や研究施設で教鞭をとる専門家たちが「概論ウクライナの歴史」「ウクライナにおけるユダヤ人の歴史」等の11のテーマで行った講義を書籍化したもの。島国で、比較的単純な民族構成の日本でボンヤリ暮らしていては全く想像もつかないほど複雑な、ロシアやベラルーシ、ウクライナというキエフ・ルーシから派生した民族の歴史やアイデンティティの在り方に圧倒される。日本人は自分たちを支配する「国」がここまで多様だった経験などない。学ぶ価値ありだ。2024/04/10
kuroma831
11
ウクライナ戦争の勃発を受け、第一線の研究者達を集めた連続講義の書籍化。ロシア・ウクライナ問題をキエフ・ルーシの時代からマイダン革命以後まで様々なテーマで専門家が語り、ウクライナ側・ロシア側それぞれのナラティブもよく理解できる非常に良い本だった。ウクライナとはロシアの一部なのか?それとも独立したウクライナという概念なのか?というのは今回の戦争で最も重要かつ最も双方の合意が得られない論点だが、そもそもその論点がなぜ生まれ、なぜ2つの考え方が成立したのかの経緯がよく分かる。2024/06/15
ポルターガイスト
5
優秀な本だった。ウクライナ通史の手頃な本は中公新書の『物語ウクライナの歴史』くらいしかなかったが,これは新書のわりに少し硬めでやや古く,最新の状況を反映できていない弱点があった。この本はこれらの弱点をカバーできている。講義集なのでバラエティ豊かな反面少し一貫性は弱いが,中公新書のほうと併せて読めばちょうどバランス取れていい勉強になるでしょう。それが2023年の現状でウクライナのこと知りたい人にとっていちばん安パイで確実な方法かなーと思います。2023/10/21
takao
3
13世紀後半、モンゴルの襲来によりキエフ・ルーシの中心であったキエフは陥落して荒廃し、中心はウラジーミルに移った。ウラジミールはモスクワの東方約200kmの古都。 2023/11/14
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