クリティカル・ワード ポピュラー音楽

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クリティカル・ワード ポピュラー音楽

  • ISBN:9784845921317

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内容説明

ジェンダー、人種、階級、ジャンル、法、アニメ、シティ、アマチュアリズム……
ポピュラー音楽研究の基礎から最前線まで、28の多面的なキーワードと現代的な事例で音楽文化を考え常識を問い直す!

近年、学術的な研究領域としての地位を確立しつつある「ポピュラー音楽」研究に関する基礎的な知識を解説しつつ、最新の動向を初学者にも分かりやすく紹介した本邦初の入門書。

本書は3部構成になっており、「第1部 基礎編」では、ポピュラー音楽研究の基底を支える概念として8つを取り上げ、それぞれのキーワードからポピュラー音楽を概観する。
「第2部 事例編」では、ポピュラー音楽研究のなかでも比較的蓄積の多いトピックを照射する。各項目はそれぞれの学術的議論を概観した上で、ポピュラー音楽研究全体、そして、他分野と横断・接続し、新しい学術領域を開拓する、発展的な学術的問いも示唆する。
「第3部 拡張編」では、近年の音楽文化を領域横断的に語る上で欠かせないキーワードを掲げて、ポピュラー音楽それ自体とそのコンテクストを扱ってきた従来の研究から一歩外に踏み出し、新鮮な空気を吸うための論考を集めた。

これまで日本語で読むことのできなかった重要トピックや論点も多数収録し、研究者や学生だけでなく、音楽を「分析したい人」、「語りたい人」にとっての手引きとしても有用な一冊となっている。

◆シリーズ[クリティカル・ワード]
現代社会や文化および芸術に関わるさまざまな領域を、[重要用語]から読み解き学ぶことを目指したコンパクトな入門シリーズ。

基本的かつ重要な事項や人物、思想と理論を網羅的に取り上げ、歴史的な文脈と現在的な論点を整理します。もっと深く理解し、もっと面白く学ぶために必要な基礎知識を養い、自分の力で論じ言葉にしていくためのヒントを提供します。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

13
ティンパンアレーの商業性への批判がユダヤ人差別と結びついたこと。ラジオの発展が、ささやくように歌うクルーナーボイスを生み出したこと。「ライヴ(live)」に生の音楽の意味が付随したのは、テクノロジーに対する批判運動からだったおと。商業性と人種性、放送と歌唱技術、言葉の意味と技術進歩。複数のテーマが交差する記述が多く登場することが、本書の面白さだと思う。キーワード集のようなものは、それぞれの相互関連が重要だと思う。 2024/03/14

愛楊

2
非常に良かった。2023年刊行という新しさもあり、ポピュラー音楽研究にいかなるトピックがあるか、どのような文献や言説を用いて理論を組み立てているかを知ることができた。ポピュラー音楽学の教科書としては一番良いのではないだろうか。参考文献や理論紹介も多く、自身で論じるための道具を手に入れることができる。ただ、インターネットのポピュラー音楽としては、「アマチュアリズム」の節が示す通り、未だボーカロイドや歌ってみた・踊ってみた止まりで、音MADやYTPMVに関する成果は未だ無いようだ。2024/02/07

河村祐介

2
この「クリティカル・ワード」シリーズ、簡潔でこれまで買っているシリーズ。で、ある意味で職業的に真打ち登場的な。「ジェンダー、人種、階級、ジャンル、法、アニメetc」などのキーワードで、国内外の現行のポピュラー音楽論の展開、どちらかといえばいわゆる音楽メディア的な批評というよりも、もうすこし学術領域的な掘り下げ方で解説といった感じ。各ターム6ページ程度で簡潔にまとめられているので、日々SNSで繰り広げられているいろいろの理解の下支えとしても重宝というか、もちろん私は仕事のリファレンスとして◎。2023/05/16

なをみん

1
盛り盛り盛り沢山だなあと思って手に取ったけど、やっぱり夏フェス的にあっという間に読み終えてしまった。デジタル時代のポピュラー音楽の現状が薄っすらアップデートできた気もする。「ドストエフスキーはポリフォニー」とか、サブスク時代のジャンルとか、「感情と音楽」とか、「地域とポピュラー音楽のありかたを問うようなミュージアムや常設の展示」とか、ビジュアル系のクィアな解釈とか、気になるワードも盛り沢山だった。2025/07/01

その他

1
他のクリティカルワードシリーズと比較して、歴史の差のせいか少し物足りなさを感じる節が多かったけれど、その分ポピュラー音楽の在り方を現代的に取り上げていたのが良かった。 音楽史的になぞりながら解体していくのではなく、キーワード毎に違う角度からポピュラー音楽を照らしていくような構成は他に読んだことがなかったので、そこの満足度が高い本だった。2023/12/19

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