街場の米中論

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街場の米中論

  • 著者名:内田樹【著】
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  • 東洋経済新報社(2023/12発売)
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  • ISBN:9784492444795

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内容説明

疫病と戦争で再強化される「国民国家」はどこへ向かうのか。
拮抗する「民主主義と権威主義」のゆくえは。
希代の思想家が覇権国「アメリカ」と「中国」の比較統治論から読み解く。

アメリカにはアメリカの趨向性(あるいは戦略)があり、中国には中国の趨向性(あるいは戦略)がある。それを見分けることができれば、彼らが「なぜ、こんなことをするのか?」、「これからどんなことをしそうか?」について妥当性の高い仮説を立てることができる。それがこれからこの本の中で僕が試みようとしていることです。(第1章より)

アメリカと中国というプレイヤーがどうふるまうかによって、これからの世界の行方は決まってきます。僕たち日本人にできることは限られています。直接、両国に外交的に働きかけて彼らの世界戦略に影響を及ぼすということは日本人にはできません。日本自体が固有の世界戦略を持っていないのですからできるはずがない。できるのは、両国の間に立って、なんとか外交的な架橋として対話のチャンネルを維持し、両国の利害を調整するくらいです。それができたら上等です。
とりあえず僕たちにできるのは観察と予測くらいです。この二つの超大国がどういう統治原理によって存立しているのか、短期的な政策よりも、基本的にどのような趨向性を持っているのか、それをよく観察して、世界がこれからどういう方向に向かうのか、どのような分岐点が未来に待ち受けているのか。(第1章より)

目次

第1章 帰ってきた「国民国家」時代の主導権争い
第2章 自由のリアリティ
第3章 宗教国家アメリカの「大覚醒」
第4章 解決不能な「自由」と「平等」
第5章 ポストモダン後にやってきた「陰謀論」時代
第6章 「リンカーンとマルクス」という仮説
第7章 国民的和解に向かうための「葛藤」
第8章 農民の飢餓
第9章 米中対立の狭間で生きるということ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Twakiz

35
アメリカは建国の時点から「自由」と「平等」の間で引き裂かれてある。中国は中華皇帝の統治の光が遠くへ及ぶイメージで古代から成り立っている。西へ西へ。日本は「こういう国であるべきだ」という建国の祖がそもそもない。自分にはちょっと難しい話も多かったが、何より驚くべきはこれらの話が大学院生のゼミで「ちょっと今の話を聞いて思い出しだんだけど」という前振りからウチダ先生が思いついたままに話した内容が元になっているということ。どんだけ抽斗があるの。学生の頃にウチダ先生の講義を聴きたかった。2024/02/27

ta_chanko

28
アメリカで、なぜトランプのような人物が支持されるのか。なぜ銃規制が進まないのか。なぜ陰謀論が蔓延るのか。中国は、なぜ汚職が無くならないのか、なぜ西に向かう(東には向かわない)のか、なぜ国民を監視するのか。など、米中にまつわるさまざまな疑問に答えてくれる内容。アメリカの分断を止めるためには、南北戦争後に見られた和解の動き(トウェインやプレスリー)がヒントになる。中国崩壊の危機を救うためには、「再共産主義化」が必要。食い合わせの悪い「自由」と「平等」の折り合いをどうつけるか。葛藤を抱えながら存在する国は強い。2024/02/14

tokko

20
内田先生も「おわりに」で書かれているように、あちこちで既に読んだ内容が散見されます。ではこの本を読む価値がないかと言われるとそんなことはありません。既読の知見を足がかりにしてもう一歩先へと内田先生が案内してくださっていることが理由の一つめ。それともう一つは、何度読んでも「聞き飽きない」ことです。何回読んでも「もうわかったよ、しつこいな」と思うことがありません。それはきっと「飲み込めそうで飲み込めない」くらいの「わかりやすさ(にくさ)」だからではないでしょうか。2023/12/25

冬佳彰

15
著者もあとがきに書かれているように、「以前読んだ話が結構多いな」ってのはあるなあ。しかし、これまたあとがきにかかれているように、そもそもの話とか歴史的な経緯の話を面倒臭がっていると、その内に、「そんな事実はない」とか「こういう(トンデモ)説もある」のように悪しき相対化をする人たちも出てくるので、まあ必要なんだろうな。本書、前半は米国論、後半は中国論、そして最後に米中関係や世界の行末という構成になっている。俺が面白かったのは、中国が進むべき方向は、(由緒正しい)共産主義への回帰だ、って箇所かなあ。2024/02/29

teddy11015544

13
自由と平等、米国の歴史など、内田せんせいはいつものお話とは言いますが、こっちも憶えていないのでたいそうおもしろく読みました。2023/12/29

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