内容説明
弟を溺愛するあまりに父から離婚された母。そんな母に、幼い頃からずっと否定されて育った実音子は自己肯定感がすこぶる低い。そのせいもあり、人生の節目では極度の緊張から失敗ばかり。現在は非正規で働いている。生きづらさを抱えて日常を送る中、実音子はある日、ひょんなことから最寄りとは違う駅で電車を降り、二十年前に一瞬だけ暮らした思い出の街を訪れる。そこで出会ったサビ猫に導かれ、浮世離れした雰囲気を持つ美青年・瞬が営むフルーツサンド屋に辿り着く。おなかも心も満たすフルーツサンドを食べ、温かな瞬の優しさに触れ、灰色にくすんでいた実音子の毎日が、少しずつ色鮮やかに輝いていき…?
目次
プロローグ 至福の苺サンド
第一章 ほっこり猫サンド
第二章 優しい枇杷ジャムサンド
第三章 思い出の桜サンド
エピローグ 満腹の栗サンド
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツン
74
メインのサンドイッチ屋さんのところは良いのだけど、母親が毒親過ぎて辛い、、そして、予想外にファンタジーな話でした。あんなオチになるなんて。2023/12/28
坂城 弥生
36
フルーツサンド美味しそうでした。2024/01/04
よっち
31
弟を溺愛するあまりに父から離婚された母。そんな母に幼い頃からずっと否定されて育ち自己肯定感がすこぶる低い実音子が、思い出の街で出会ったサビ猫に導かれ、フルーツサンド屋に辿り着く物語。生きづらさを抱えて日常を送る実音子が出会った、浮世離れした雰囲気を持つ店主の美青年・瞬と彼の親友たち。全然売れていないフルーツサンドは思いの外美味しくて、温かな瞬たちの優しさに触れて、売れるために協力する実音子。自分の頑張りを肯定してくれる居場所を得た彼女が瞬の思わぬ危機に奔走したり、変わってゆく様子がなかなか良かったですね。2023/11/16
陽ちゃん
7
幼い頃から母親に否定されてきたために自己肯定感が低い実音子ですが、偶然、猫又?に導かれてフルーツサンドのお店を見つけて、店主の瞬やその友人たちと交流するするうちに自信を持つようになり…実音子の母親が酷すぎですが、瞬たちに肯定されてもっと自信をつけて、そんな母親見捨てちゃいなさいって思っちゃいました。ちなみに、フルーツサンドって美味しそうで気になるのですが、ゴハンなのか、デザートなのか悩んじゃって結局手が出ないんですよね〜(^_^;)2024/01/08
栗山いなり
6
自己肯定感の低い女性が浮世離れした青年が営むフルーツサンド屋に出会った事から始まる物語。まさかファンタジー要素があるとは思わんかったけどそれもそれで味になってたかな?一人の女性の成長物語として結構興味深く読めた2024/01/03