内容説明
人生のどこかの瞬間と響き合う、個人的なゲームたち――
異能のアニメーション作家による唯一無二のエッセイ集。
戦火のウクライナ発の奇怪な経営シミュレーション、セラピストと絵文字だけで会話するゲーム、認知症患者となりその混乱や不安を体験……
「数多くの個人的なゲームたちと確かに交流したのだという幸福な錯覚は、自分と世界との距離を見つめ直そうとする私に流れる孤独な時間を、今も静かに支え続けてくれている」(本文より)
【目次】
▼はじめに
▼まるでボトルレターのように
▼オーダーメイドゲーム作家
▼祖母を見舞う
▼アルツハイマー病患者の苦悩と孤独
▼トイレットシミュレーターの世界
▼自家製マリオワールド
▼常識はずれのゲーム達2021
▼語られたがった布団の中の物語
▼戦火の中でリリースされたゲーム
▼誤解の中で呼吸するヒロイン
▼老後も遊べるゲーム
▼本から広がる言葉の宇宙
▼誰とでも共作できる美術館
▼暗い橋の上から
▼人間臭いゲームたち
▼正解の無い会話
▼めくるめく無慈悲な肯定
▼終わらせなければ、終わらない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かやは
7
主に海外のインディーゲームについて語られる一冊。 インディーゲームは時勢の反映が早いのでコロナ禍エッセイにもなっている。小説や漫画のように、一人の人間の思いがダイレクトに伝わってくるのがインディゲーム。絵でも文字でも映像でもない、選択肢によって分岐するというシステムがあることで、鑑賞ではなく体験になる。結末は決まっていても、展開は委ねられている。それぞれのメディアには、それでしかできない表現方法がある。荒唐無稽な設定でも、ゲームという体験によって、人々をその世界観に引き込むことができる。2024/05/08
つまみ食い
6
「インディー」な海外のゲームのことを全く知らなかったが、ここで紹介されているゲームの中で気になってSteamで調べたら、全然ヒットしない...というように思っていたよりもインディーだった。紹介されたゲームの中では下絵を作った他のユーザーに仕上げてもらうゲームが好例だが、ゲームクリエイターの作った場でユーザーが遊ぶため、小説や映画など他のメディアの作品とはまた違う面白さがある。そうした面白さも含め、ばかげたものから人の善意や無邪気さの結晶のようなものまで、広いゲームの世界をのぞかせてくれるような良い本。2025/08/25
ニッポニテスは中州へ泳ぐ
6
☆=3.5/5 インディーズゲーム。それはメジャーなブランドによる「保証」がない分、自由な表現にあふれる界隈。クオリティも玉石混合なら題材についても有象無象。そんな「フィルターを掛けられていない」ゲーム達がひしめく表現の海に著者は嬉々として飛び込みます。 あまりに奔放すぎる雑クオリティゲーに思わず苦笑したり、製作者の個人史が濃密に反映されたゲームの向こうに製作者の息遣いを感じたり。そんな著者の姿はどこか蚤の市で掘り出し物を探す数寄者のよう。 補:アウトサイダーアートの文脈に繋げて考えても面白いかな?2024/01/21
Танечка (たーにゃ)
5
これはゲームなのか?というものから、メジャーなゲームでは主題にしないような題材のゲームまで。よくみつけてくるなあというのと、そういったものに魅力を感じられる感性、それをみんなに伝えられる文章力が羨ましいっ。とはいえ、本を読んだだけではゲームの魅力の本当のところはわからないので、紹介されているゲームをひとつでもプレイしてみよう、そうしよう。2025/08/10
ざじ
4
この本で紹介されているインディーゲームの概要は魅力的な短編小説のような手触りがあってどれも惹かれる。他者の体温を間接的に感じられるような心地良い本だった。2024/02/12




