内容説明
味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを。
コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲(アヤメ)。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極める菖蒲、タダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ!
北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは……?
著者自身の中国滞在経験とその観察力が炸裂する、一気読み必至の“痛快フィールドワーク小説”!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
297
綿矢りさは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 著者の最新刊は、駐在員お馬鹿妻コロナ禍北京滞在日記でした。 著者が北京に半年滞在していただけあって、今の北京の街がかなりリアルに描かれていて楽しめました。主人公菖蒲がパッキパキで強烈なので続編もありそうな勢いです(笑) https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/pakkipaki/ https://www.bungei.shueisha.co.jp/interview/pakkipaki/2024/01/16
まーくん
219
表紙の強烈な存在感とアピール度!綿谷りさ『蹴りたい背中』も読んだことないけど、北京でパッキパキって一体?つい衝動買いしてしまった。ちょっと、お近づきになりたくないような若い女性が主人公。北京で単身赴任中の夫に呼ばれ同居。自己流を押し通しながら「真冬の北京を大暴走」。抱腹絶倒もの。著者の中国滞在経験が元になっていると言う。コロナ禍から突然のゼロ・コロナ明けの頃、2022年暮れから23年春節の頃の北京が舞台。自分の40数年前の経験と比べ、街は経済発展で金ピカになっても庶民の本質はしぶとく残ってるようで、⇒2023/12/11
R
186
まるで本当に体験してきたかのような日記のような小説だった。架空の人物がコロナ禍の中、北京で暮らすようになってという物語、いや小説だからそうに決まっているんだが、あまりにも日記帳というかブログのような内容で、ひょっとして現代の〇〇日記というやつは、こういう文章や小説をいうんだろうかと思うほどだった。持前の明るさというか性格をもって北京での生活も、最大限に楽しんでいる姿、バイタリティと生き方へのある種の真摯さを考えさせられる内容で、終わりのさっぱりしたところも含めて、とてもよかった。2024/03/30
tetsubun1000mg
158
タイトルの「パッキパキ」の意味が分からなかったが冬場の北京の気温が-13度で北京の川がパッキパキに凍っているのを体験したことによるようだ。 綿矢さん本人もインタビューで、実際に2022年に家族と北京で暮らしたことを題材にしたらしい。作家の目で見ると北京は書きたくなる事、ツッコミどころ満載のようで買い物、電動自転車+スクーターの「自転ター」が我が物顔で走る交通事情が伝わる。 特に食べ物はいろんな料理に挑戦しているようで現実の北京生活が面白い。 綿矢さん最近読んでなかったがこんな物語を書くようになったんだね。2024/02/04
うっちー
147
ちょっと私的には違った感じ2024/01/06