内容説明
お金は資本主義社会の一つの約束事であり、手段に過ぎないのに、いつの間にかお金を増殖させること自体が人生の目的となり、働くことはそのための手段に成り下がってしまった。なぜこのような逆転が起こったのか。本書はヨーロッパ近現代の名だたる経済思想家たちがこの難題にどう取り組んできたかをとおして、人間と貨)の関係をとらえ直す。著作集収録にあたり、「贈与論」で有名なポランニーと「劣化する貨幣」のゲゼルにかかわる2章を書き下ろし。コミュニティビジネスや地域通貨に関心のある方にはとくにおすすめしたい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさにい
3
新潮選書版で読む。この著者である内山節氏はすごいなぁと思った。この本は、経済学のテキストであると共に、貨幣を哲学する本でもある。ペティ、ケネー、ロック、アダムスミス、リカードゥ、JSミル、ヘス、マルクス、ケインズ等の著作を元にその時代背景と市場経済の様子がよくわかる。福田歓一の政治学史と併せて読むとその時代が見えて来るようで非常に役に立った。2023/04/29
rymuka
3
この本を読み、貨幣は重農主義的にもなり得たのだと思った。1971年のドルショック以降、貨幣のグローバル化が急進したけれど、それによる固定観念を反省。他にも、村で家を買う話などがあり、示唆に富む! 読書録あり → http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-75.html2019/11/17