内容説明
水槽を抜け出し、真夜中の道をひたすら海に向かって進むヤドカリの姿に、現代人が失なった「生きることへの憧れ」を見る短編「ヤドカリ」をはじめ、現代の存在・労働・労働過程の諸相を鮮やかに切りとる哲学的エッセイ集。元になった信濃毎日新聞連載「現代への旅から」より、単行本未収録の29編も併せて収録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
25
16節_自然「日本には(自然環境という意味での)自然という言葉がなかった。…杉、猿、虫というように個別に呼びあってきたのであり、そのひとつが人、であった。そうでなければ…山の神や水の神を尊ぶ風習は生まれなかったであろう」 ◉(p.77)人間たちは少しずつ自然を加工する範囲を拡げていった。森を切り開き、大地を農地に変え、鉄鉱石を鉄に変え、川から水を引きながら、それまで人間の手の届かなかった自然を、人間の生活圏のなかに取り込んでいったのである。→その交流のことを労働と位置づける(加工と性質の発見、精神的交流)2023/06/18
アナクマ
21
「日々の疲れと、日々の楽しみと、日々の怠惰の中に身を置」く現代と、往復する田舎暮らしから哲学を生成する若き日の試論。80年代前半。文庫化希望。◉冒頭はヤドカリ放生会、カブトムシの修理業。14節_土「人の営みはすべて自然を加工することによって成り立っている」◉感想は本一冊分になりそうだから、ゆっくりと反応しよう。例えば19節_落伍者。過疎化した故郷に帰りたい子世代と〈帰らせたくない〉親世代のやりとりを、著者は観察・収集し、そして考える。ここでは、状況のタイムラグが生む悲喜劇のあることをメモしておきたい。2023/06/17
-
- 電子書籍
- ガラスの温室の公爵夫人【タテヨミ】第8…
-
- 電子書籍
- 魚共村奇譚 連載版 第21話 ぐる漫
-
- 電子書籍
- 情熱の罠【分冊】 4巻 ハーレクインコ…
-
- 電子書籍
- オレンジページ大量消費シリーズ1 なす…




