おわりのそこみえ

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おわりのそこみえ

  • 著者名:図野象【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 河出書房新社(2023/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 420pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309031613

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内容説明

「感動、アホか。そんなもんはいらんのじゃ、暈け。これは効いた。効きまくった」(選考委員・町田康)。美帆、25歳。買い物依存で性依存――。第60回文藝賞優秀作。

「私に明日なんて必要ないし、夜は明けないほうがいい。」(本文より)
スマホで消費者金融のアプリとマッチングアプリを交互に見る生活を送る、美帆、25歳。今を生きるため人生を手放し、地獄の底の絶望と希望へと爆進する、衝撃の問題作。町田康、喝采!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Vakira

70
いや、これ面白い。買い物&セックス依存症の25歳の女性が主人公。作者は男性なのにこの女性のクズなのに生き生きとしたキャラがリアル。実際にいそう。そんな女性の生活ドラマ、それだけなら何とか書けそうだ。と、思いきや、ちゃんと事件が発生します。家族、友人、恋人ってどういうこと?これを考えさせられる問題作にも感じる。更にこの事件のどんでん返し。物語としてのオチ。限られたページ数の中でうまくまとめられてます。キャラの作りかた。リアルな心情表現。感心しました。これも、芥川賞受賞作より面白かったかも。2023/12/10

ミナミハハ

58
2023年第60回文藝賞優秀作。登場人物みんなおかしい。主人公みたいな人今の時代普通にいそう。本人も自覚してないどうしようもない感じ。救いようの無い状況何だけど、何故か重く感じない。なんだろうこの読後感。不思議。2024/03/06

いっち

56
タイトルがひらがなだからか、柔らかい印象を受ける。が、やわらかくない。登場人物は大抵狂ってる。主人公は借金がかさむ。バイトはクビになり、友達の彼氏と浮気をする。父は主人公の手作りケーキを食べず、母と喧嘩をし、主人公が火種を食らう。友達は見返りのないクズ男のために、広い部屋を借りて、金がない。主人公をストーカーする同級生は、寒空の中、ホテルで男と交わる主人公を見張る。狂ってるが嫌いにはなれない。愛すべき人物とすら思える。主人公の手作りケーキを発端に、父母が口論し、子育てについて争う展開が滑稽で、面白かった。2024/01/21

PEN-F

43
これ凄い!! 狂ったように絶望と奈落の底へ一直線の物語をこれでもかというくらいポップな感じに仕上げた作者の手腕に脱帽です!感動という要素を一切除外すると、ここまで面白くなるものなのかという感動を逆に得た。これホント凄い!2024/01/04

竹園和明

42
若くして人生に失望し居直ったように借財を重ね、マッチングアプリで出逢った男と軽いノリで身体を重ねる25歳の美帆。人生を立て直す意識など毛頭ないこの若者の姿に、蔑みと痛々しさを感じた。美帆の両親も親としての役割を完全に放棄している。これが今どきの底辺家族の姿なのか。借金も遊びも生死さえもファッションと位置付け、警察にも平気で嘘をつく。倫理も秩序も我関せずの史上最低の主人公。しかし独りになった時に流す涙に一縷の望みを託したいと思った。乱痴気な装丁も作品全体を見事に表現していて、仕上がりの完成度はかなり高し!2024/02/20

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