奇妙な絵

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奇妙な絵

  • ISBN:9784152102799

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内容説明

優しくて内気な少年テディ。その面倒を見るベビーシッターのマロリーはある日、テディが奇妙な絵を描いていることに気がつく。森の中で、女の死体を引きずっている男の絵だ。テディが何かに取り憑かれたように描き続ける、不気味な絵に隠された真相とは――?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

69
作中の絵がストーリーに不気味さをプラス、なかなか面白い作品だった。21歳のマロリーはドラッグから順調に回復途上の女性。信頼できる相談役の紹介にて住み込みのベビーシッターに採用される。綺麗な街並み、優しく裕福そうな夫婦、5歳になる1人息子テディはお絵描きが大好き。その絵が大人びた意味深なものに変わっていく。少し先は予想できるがもう少し先は見えない。ミステリ要素もプラスして「怖いもの見たさ」全開。でも本当に怖いのは…。MWA賞ヤングアダルト(YA)部門最終候補作、米国のYA作品はテーマが凄まじくてビックリ。2024/01/06

あたびー

40
薬物依存から立ち直ったマロリーは、裕福な家庭のベビーシッターとして雇われる。愛らしい子供テディに惹かれるが、その描く絵はなんとも不気味だった。イマジナリーフレンドのアーニャが描かせるというその絵はどんどん変化して行き…「骨の袋」的な話かと思いきや、終盤物語は意外な方向へ舵を切る。ホラー、ミステリー、そしてサスペンス要素が三つ巴。2024/04/09

アプネア

30
面白かった。これは思わぬ拾い物だった。ホラー・ミステリというジャンルである必要性を、緊張と恐怖を煽る絵で最大限に活かしている。主人公、ひいては読み手に伝えたいメッセージを送り易くするという巧妙さ。5歳の子供が書いた絵から、リアルなスケッチとなる絵まで、細部と細部が響き合って、不穏な共鳴を全体が発している。終盤、全体が繋がっていた事に、後から気づく。誤認誘導を含め、実はものすごく周到な作りになっていたんだな〜・・・。これはおすすめ。2024/01/18

★Masako★

28
★★★★☆ ドラッグの依存症からようやく抜け出し、新しい町でベビーシッターを始めたマロリー。面倒を見ている5歳の男の子・テディは、可愛らしく絵を描くのが好きだ。だがある日のテディの絵に、空想の友達だという女性が描かれていた。それからテディの絵は不気味さを増していき、5歳児が描いたとは思えないかなりリアルな絵へと変わっていく。テディに何が起きているのか?沢山の絵は何を意味しているのか? イラストがとても効果的で心理描写も上手く、終始ハラハラしながら読んだ。とても楽しめたホラー&ミステリ♪【図書館本】2024/04/27

まぶぜたろう

26
オーソドックスなモダンホラー、プラスα、挿絵つき。典型な部分は十分に恐ろしく、αな部分は伏線が上手く決まり、思わず膝打つ納得のミステリ性。主人公のベビーシッターが薬物患者でトラウマを抱えているという設定もいいし、知り合った男性につい嘘をついちゃう、なんてのも可愛い。彼女を雇う両親が意識高い系なのもいいし、その住まいや街の描写も的確。つまり、しっかりしたディティールがオーソドックスプラスαをサスペンスフルに描き出し、なんてぇことのない小品だが、こーゆーのが世界を豊かにしてくれるわけだ。傑作。(◯◯◯●●●)2023/12/25

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