内容説明
生きた歴史に触れる――。戦友会の「お世話係」が見た、“終わらない戦争”
戦場体験者の証言が浮かび上らせるのは、歴史的事実だけでない。話せないこともあれば、伝えたくても伝わらない真実もある。戦没した仲間への哀惜。「勇ましい」戦後右派への不信…。ビルマ戦研究者であり、戦友会、慰霊祭の世話係でもある著者が、20年以上にわたる聞き取りをとおしてつづった、 “痛み”と“悼み”の記録。
【著者】
遠藤美幸
1963年生まれ。イギリス近代史、ビルマ戦史研究者。神田外語大学・埼玉大学兼任講師(歴史学)。不戦兵士を語り継ぐ会(旧・不戦兵士・市民の会)共同代表、日吉台地下壕保存の会運営委員、日本ミャンマー友好協会理事。2002年から元兵士の戦場体験を聴き続けている。著書に『「戦場体験」を受け継ぐということーービルマルートの拉孟全滅戦の生存者を尋ね歩いて』(高文研)、『なぜ戦争体験を継承するのか─ポスト体験時代の歴史実践』(共著、みずき書林)がある。
目次
まえがき
第1章 九八歳の「慶應ボーイ」
第2章 初年兵の「ルサンチマン」
第3章 永代神楽祭と「謎の研究者」
第4章 戦場と母ちゃん
第5章 一〇一歳の遺言
第6章 ビルマ戦の記憶の継承――元日本兵の慰霊を続ける村
第7章 音楽は軍需品なり――朝ドラ「エール」とビルマ戦線
第8章 いま、戦争が起きたらどうしますか?
第9章 戦没者慰霊祭に響き合う「ポリフォニー」
第10章 やすくにの夏
第11章 戦友会「女子会」――元兵士と娘たち
第12章「戦場体験」を受け継ぐということ
最終章――非当事者による「感情の歴史学」
あとがき
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