筑摩選書<br> 意味がわかるAI入門 ――自然言語処理をめぐる哲学の挑戦

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筑摩選書
意味がわかるAI入門 ――自然言語処理をめぐる哲学の挑戦

  • 著者名:次田瞬【著者】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 筑摩書房(2023/11発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480017895

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内容説明

「AIは言葉の意味を理解している」――2020年に行われた調査で、回答者の半数近くがこのように回答した。2022年に公開されたChatGPTは、当時よりいっそう自然な受け答えが可能だ。はたして現在のAIは言葉の意味を理解しているのだろうか。そもそも意味を理解するとはいかなることなのか――。AIの開発史をたどりながら、現在のAIを支える大規模言語モデルのメカニズムを解き明かし、深い霧に包まれた「意味理解」の正体に一歩ずつ迫る。哲学者によるスリリングなAI入門! 【目次】序章 哲学者、大規模言語モデルに興味を持つ/第一章 AIの歴史──心の哲学を補助線として/1 ダートマス会議にはじまる/2 第一次AIブーム──「一人で立てたよ!」/3 AIの冬(1)──「時バエは矢を好む」?/4 第二次AIブーム──「知識には力が宿っている」/5 AIの冬(2)──「あなたたち人工知能研究者はいつもそうやって をつく」/6 第三次AIブーム──「私たちはずっと正しかったのだ」/7 1980年代のコネクショニズム批判/8 残された疑問──ニューラルネットワークは自然言語を扱えるのか?/第二章 自然言語処理の現在──言語哲学を補助線として/1 AIは言葉の意味を理解すると思いますか?/2 意味に対する伝統的アプローチ/3 真理条件意味論に対する疑い/4 コネクショニズム化する自然言語処理/5 分布意味論の批判的検討/6 大規模言語モデルと言葉の意味理解/7 意味と意味理解についてわかったこと、まだわかっていないこと/終章 機械に心は宿るのか?

目次

序章 哲学者、大規模言語モデルに興味を持つ/AIと人間並の知能/三度目のAIブームと機械学習/本書の目的/本書の想定読者/本書の概略/第一章 AIの歴史──心の哲学を補助線として/1 ダートマス会議にはじまる/2 第一次AIブーム──「一人で立てたよ!」/3 AIの冬(1)──「時バエは矢を好む」?/4 第二次AIブーム──「知識には力が宿っている」/5 AIの冬(2)──「あなたたち人工知能研究者はいつもそうやって をつく」/6 第三次AIブーム──「私たちはずっと正しかったのだ」/7 1980年代のコネクショニズム批判/8 残された疑問──ニューラルネットワークは自然言語を扱えるのか?/文献案内/第二章 自然言語処理の現在──言語哲学を補助線として/1 AIは言葉の意味を理解すると思いますか?/2 意味に対する伝統的アプローチ/3 真理条件意味論に対する疑い/4 コネクショニズム化する自然言語処理/5 分布意味論の批判的検討/6 大規模言語モデルと言葉の意味理解/7 意味と意味理解についてわかったこと、まだわかっていないこと/文献案内/終章 機械に心は宿るのか?/AGIの誕生、待ったなし?/評価者の主観を取り込んだテスト──チューリングテスト/チューリングテストの代替案──チューターテスト/意識について最後に一言/文献案内/あとがき/参考文献/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かいわれ

4
前半はコネクショニズムと記号主義の対立を軸にAIの歴史的経緯について、後半は自然言語処理についてまとめられている。技術的な説明が半分ぐらいある印象で、情報通信に触れたことがあるひとならば、理解できる内容となっていていい本だと思う。記号主義は伝統的な言語哲学の射程にあるが、現在席巻しているチャットGPTなどのニューラルネットワークに対して、残念ながら言語哲学はほとんど貢献することができてなさそうである。2023/12/16

3
言語の意味理解に関する記号主義的なアプローチ(真理条件意味論)と分布仮説に基づくコネクショニズム(深層学習によるNLP、LLMが現状その頂点)のメカニズムのごく初歩的な部分をつまみ食いして比較。著者は後半でChat GPTが言葉の意味を理解しているとは言い難いと主張するが、その論拠がそもそも真理条件意味論のフレームを使って組み立てられており、微妙だなあと思ってしまった。LLMに対して挙げられている課題のほとんどは、技術的進展により解決可能であるか、そもそも記号主義的な言語観を前提してしまっている気がする。2025/05/09

katono

2
自然言語処理研究の観点からAIの哲学的な意味にまで踏み込んでおり、説明が丁重かつ簡潔で判りやすい本でした。著者の専門は言語哲学なので、いわゆるLLMのロジックの解説はありませんが、逆に言語哲学の真理条件意味論と分布意味論の比較検討の観点からChatGPTに代表されるLLMの意味と限界について解説されています。結論としてAIは言葉の意味を理解できていると言えるのか?、つまり「意識を持つ」とは...(おっと、誰か来たようです。)2024/02/29

mitsu

1
言語哲学を専門に持つ著者のAIに対しての考えを色々な文献を元に書かれた内容。言葉として「意味」を深堀りしていきながら、AIの歴史の流れに沿った説明がある本書は、自分には色々と感じる内容でかなり面白く感じました。文系学者によるAIの著書は他にも読んでみたいと思います。2025/07/20

Oki

1
かなり情報bitがあった。 「AIが言葉の意味を理解しているか?」とか「AIに意識があるか?」とかいう日常的な言語に意味があるかどうかはよくわからないが、チューターテストにはかなりな意味があると思っていた。個人的には、チューターテストに最も向くのは囲碁で、囲碁で実現できないようならチューターテストの方向性は無理筋だと証明できると思う。 また、ステップ函数人種とシグモイド函数人種がいるような気がする。 リトマス試験紙は、「AIは6:4で意識はありません。」とかいう意見を受入れるかどうか。2024/06/15

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