内容説明
いろいろな人の人生に共感し応援する食を提案してきた自称「めし炊き」の著者が綴る18編のエッセイと30のレシピ。子ども食堂で子どもたちがつくった、具を先に炒めておくひき肉チャーハン。年末の炊き出し“大人食堂”に彩りを添えた炒めなます。子どもの頃に家族で囲む食卓で、父の酒肴から少しもらっていたレンコンのニンニク炒め。晩年にかつての家庭に帰りたがった認知症の父を思い出しながらつくる鶏胸肉の塩麹焼き……。自身の病とも向き合いながら、謙虚にたくましくご飯を食べて生きて行くすべての人に贈るエール。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
49
【「食べて」は、「生きて!」っていうこと】いろいろな人の人生に共感し応援する食を提案してきた自称「めし炊き」の著者が綴る、18編のエッセイと30のレシピ。巻末に友人・伊藤比呂美さんの文章。間質性肺炎の持病持ちの著者が、コロナ禍で肺炎が悪化。酸素吸入器を常時使う身になるも、<新たな“めし炊き”段階になりました。さて、これはこれでなんだか面白い、というか、そう思ってやっていかなくちゃ、ですよね。体の声に耳を澄まし、食べたいものを考え、自分を甘やかしたり励ましたりしながら、食材と料理に向き合っていきます>と。⇒2024/06/27
よこたん
41
“私のこれからの使命は生きていく人を支える食べものを考え、〈飢えさせないこと〉かもしれない、と考えるようになってきた。” 作るのも食べるのも好きでワイワイにこにこ。西原理恵子さんとの共著で私が抱いていたそんなイメージより、もっと社会派だった。困窮のなかにいる外国籍の人も、子供をつれたお母さんも、若者も老夫婦もおばさんもおじさんも、みんなみんな食べて、生きて欲しい。そのために様々な活動されている。白和えの話が良かった。そして、コロナ陽性からの間質性肺炎で現在も闘病されていると知って、動揺してしまった。2023/11/15
空のかなた
26
あとがきは共著「なにたべた?」も出している詩人伊藤比呂美さん。「枝元と私」がぐっとくる。枝元さんがテレビで売れっ子になったときは、そのふんわりとしたキャラで、根っこの捕食者のようなするどさと獰猛さをうまく隠していたと書いている。大人食堂、こども食堂、ホームレス、反原発等、凄まじい勢いで動き始め、朝から晩まで皆に食べ物を作り続けた枝元さんの生き様と、コロナ後に間質性肺炎を患い、今は酸素吸入器を使う程になっている現在の様子も書かれている。激しく、頑固で、ラブ&ピースななほみさんへの愛が溢れている。2024/06/05
tetsubun1000mg
22
西原理恵子さんと共著「おかん飯」シリーズなど読んで知っていたが、調理師学校やレストランで修業したのではないとは知らなかった。 劇団に入って新入りとして食事係をしたのがきっかけだったとは。 「おかん飯」など枝元さんの食エッセイは、他の料理研究家とは違って自由な感じがしてコメントもエッセイストのような印象が有ったのだがそんな理由かな。 ビッグイシューを応援したり、コロナ過で食べるのにも困った人たちに大量の炊き出しをしたりと行動派なんだね。 そんな枝元さんには応援してくれる農家や、食材生産者とも繋がっている。2023/12/07
ごへいもち
18
最近買うチャンスがないビッグイシューでよく目にしてお元気そうだったのに御病気で酸素吸入器を付けている状態とは。お大事に2023/11/11