内容説明
ヒトの本能からわかる「心のしくみ」
あなたが生きやすくなる
心のメカニズムをアップグレードする
現代を気楽に生きるヒトとしての正しい諦め方
承認欲求に依存しないための思考のコツ
ヒトの本能が求める幸せの最適解とは?
一万年進化しない価値観との向き合い方
悩みの原因は同居している「3つの心」
現代社会に合わせた
生きやすい心のあり方
「進化心理学」は人間の心理を進化生物学の観点から解き明かそうとする心理学の一分野です。比較的新しい学問ですが、近年大きな注目を浴びています。
本書では、「進化心理学とは何か?」という基本的な解説から、人間の心が進化の過程でどのように形成されてきたのか、さらに急激に進歩した文明と進化しない人間の心のミスマッチについて取り上げます。そのことから生じた現代社会に生きる私たちの“心の問題”にフォーカスし、その解決策となる、時代に合わせた心のあり方をレクチャーします。
人間の心は進化の過程でどのように形成されてきたのか?
第1章 生き残った者だけが残る! 適応と自然選択
第2章 協力と信頼の誕生 狩猟採集で形づくられた人間の心
第3章 一万年前と変わらない心 現代社会と心の不適合
第4章 悩んでも仕方ない これからの時代を生きていくために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
263
「人間社会で動物ヒトとして生きる(如何にして)」を人生のテーマの一つとして考えているおじさんです。儂にとっては自明な事ばかり書いてありました。しかし、漠然と思って来た事柄であり、その考えを体系的に言語化されているのは、自身の考えを再確認、再整理するのに大変役立ちました。一つ一つのセンテンスは短く平易であり、学校では教えてくれない教養として(?)価値があるのかも。特に自身の心と社会構造に乖離を感じる方には、意義がありそうです。ただ儂には容易過ぎました。「進化心理学」もう少し深みを探ってみたいと思います。2024/08/04
大先生
9
【我々の心は狩猟採集生活をしていた頃から変わっていない。それなのに我々を取り巻く環境は急激に大きく変化しているのだから、様々なミスマッチが生じて当然】進化生物学者のダニエル・リーバーマンは、糖尿病・高血圧・痛風・うつ病等を「ミスマッチ病」と名付けたそうです。これらの原因は食べ過ぎ・運動不足・ストレス。学校や会社は、本来の意味での帰属集団にはなり得ないので、どこか自分の居場所がないような気がするのも当然だそうです。様々なミスマッチが生じるのは当たり前と割り切って、多少の努力はしつつ、悩まないのが1番ですね。2025/01/19
Asakura Arata
6
進化心理学という学問を元にして、現在の我々の立ち位置を説明してくれている。狩猟採集の長い長い時代に比べれば、現在の文明社会など一瞬にしかすぎないという、最近流行りの論説。ロングスパンで考えると文明社会も人類の歴史変化の一つのバリエーションで、人類の進化ではないということが納得できた。2024/01/13
Arnold
4
良本。200万年間10万世代を経てつくられた感情や行動が自分の中にもあることを知る。進化してない心身と進歩した生活環境とのズレがいろいろな問題を解く鍵になるという。なるほどと納得した。2024/06/12
林原琢磨
4
進化心理学という、人間の本能から心の仕組みを考えていく観点の本で、個人的にはとても面白い内容でした。ページ数が少なく、やや物足りないところはなきにしもあらずですが、こうした考え方の入門書としては十分に興味深いと思います。人間の、生物としての脳の進化や生態の変化などと、現代における様々な社会問題とを照らし合わせて、「そもそも人間の脳はこういう作りになっているから、こういう社会になるとこういう問題が起きる」というような話が、とても納得度が高く楽しめました。2023/12/10