文春新書<br> 台湾のアイデンティティ 「中国」との相克の戦後史

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文春新書
台湾のアイデンティティ 「中国」との相克の戦後史

  • 著者名:家永真幸【著】
  • 価格 ¥1,200(本体¥1,091)
  • 文藝春秋(2023/11発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166614349

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内容説明

台湾はいかにして台湾になったのか?

台湾海峡をめぐる緊張がにわかに高まっているが、台湾と中国の関係は、「敵か味方か」といった単純な構図で理解できるものではない。台湾から見た中国との「距離感」は歴史の中で時代によって大きく揺れてきた。
他方で、コロナ禍におけるデジタル担当のオードリー・タンの活躍や蔡英文大統領下での同性婚の合法化など、国際的にも存在感を発揮する台湾。こうした台湾の独自性、「台湾人」としてのアイデンティティはいかにして育まれたのか? そして複雑に錯綜した国内外の対立関係をいかに乗り越えようとしているのか?

第二次世界大戦後の国民党政権による一党支配体制、そのもとで繰り広げられた反体制運動と政府当局による弾圧――民主化以前の台湾をめぐる政治的争点を紐解きながら、冷戦期の国際情勢の変化を読み込みながら、「反中/親中」あるいは「反日/親日」という二項対立では理解できない台湾社会の複雑さに迫る。そして、台湾の成り立ちに欠かせない日本、アメリカ、中国との関係をも、「人」を起点にふんだんに描き出す。

数々の歴史的なねじれ目をほどきながら理解の深まる、スリリングな台湾現代史。

―――――――――
以下、目次

第1章 多様性を尊重する台湾
第2章 一党支配化の政治的抑圧
第3章 人権問題の争点化
第4章 大陸中国との交流拡大と民主化
第5章 アイデンティティをめぐる摩擦

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

95
台湾という国のアイデンティティが生まれる時代は日本統治時代であった。1936年の皇民化運動で日本化を強制され、敗戦後敵国語となる。1947年二二八事件で白色テロが始まり数多くの市民が処刑された。アジアでトップの民主化を成し遂げ、ジェンダー指数もアジア1位であるのは、その歴史と現状があるからに他ならない。台湾の人々が望むのは現状維持であり、台湾人というアイデンティティを維持するために今回の選挙でも民進党が選ばれたのだろう。本書で国民党が敵であった中国共産党と協調する経緯も含めて、台湾の政治情勢がよくわかる。2024/01/29

山口透析鉄

22
土曜日の深夜に読了しています。これも市の図書館本で、台湾の現代史が中米日などとの関わり合いの中でかなり網羅的に描かれています。侯孝賢監督の映画などでも国民党独裁政権による弾圧の様子は描かれている通りで、二二八事件や自由中国事件などの名前も出てきます。民主化までの道のりも平坦なものではなく、やはり歴史は二分法みたいな単純なレッテル貼りでは到底、実相は見えないです。 八田與一氏の評価ひとつをとっても見方が変わると論点も異なります。 家永氏の著書は他も読もうとは思います。2025/05/10

Hatann

13
多様性を尊重する民主的な社会を産み出した台湾のアイデンティティを考察する。先住民族、ホーロー人、客家人というエスニックグループが形成され、日本統治により、中国から政治的に分断されつつ、内地の日本人と区別された環境が、台湾人を括り出す思想を生んだ。戦後に国民党が渡来して、一党独裁の約40年、民主化からの約30年が経過した。中国大陸との関係性の変化が取りざたされるのは主に民主化以降。それまでは台湾の一党独裁に対する米国・日本の対応が問われた。最後に安倍元総理が台湾で支持される理由が考察されるが、心に染みる。2023/12/26

さとうしん

12
内容的に若林正丈『台湾の歴史』『台湾の半世紀』とかぶる部分も多い。本書の特徴は、劉彩品ら活動家の事績や言動を多く取り上げている点、批判されがちな馬英九の政治的スタンスや施策に一定の評価を与えている点などだろうか。その他PCゲーム『返校』をめぐる議論や八田与一をめぐる日台の認識のズレなども取り上げている。2023/12/20

しゅん

11
エドワード・ヤンやホオ・シャオシェンが物語ってきた台湾を脇でイメージしながら読んだ。第二次大戦後、国民党が民衆を強く弾圧したこと。台湾独立運動が、国民党とも中国共産党と違う立場にあったこと。民主化が起き、台湾と人民共和国との距離が縮まったこと。時代の変化によって、台湾人の意識も変化すれば、中国共産党との関係も変化する。それを概観するだけでも、相当複雑になることがよくわかる一冊。白色テロをモチーフにした人気を博したゲーム『返校』に関する記述が白熱していてよかった。あと安倍晋三が台湾で人気あるの知らなかった。2025/12/31

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